及川徹
ねぇ、杏。
ちゃんと一緒に帰ろうね
ちゃんと一緒に帰ろうね
杏
何回も言わなくても分かってるって……
寧々
そうだぞー!
しつこい男は嫌われるよー
しつこい男は嫌われるよー
及川徹
えっ
及川徹
嫌いになってないよね?!!
杏
……それはどーうかな。
実際徹のことは、 嫌いじゃないし、むしろ好きだ それがどんな意味であれ
杏
ほら。授業始まるよ
杏
帰った帰った
杏
自分から待っとけって言ったのに。
おっそ。
おっそ。
その途端だ。 徹と知らない女子が向こうから 楽しげに話してこっちに向かってくるのが見えた
私はチクリと胸が痛んだ気がして、 その場から逃げるように走った。
その胸の痛みがどういうものを意味するのかなんて分かりきっていた
元より一方通行の恋だったのかもしれないし、諦めるのは丁度いいかもしれないと、 走りながら考えていた
顔面を泣き顔でぐちゃぐちゃにして
及川side
及川徹
じゃ…また明日!
今日はありがとうね
今日はありがとうね
クラスメイト
いやいやこちらこそ助かりました…!
クラスメイト
それより彼女さん待っているんじゃないでしたっけ?
及川徹
彼女じゃないよ、まだね。
及川徹
ってあれ、居ない……
もしかしたら二人で喋っているところを見られた?
杏side
ガチャ
杏
っ…はぁ、はぁ、
母
杏?おかえりなさい
杏
ただいま……
母
元気ないね
ケーキでも食べる?
ケーキでも食べる?
杏
……食べる
母
落ち着いたらいつでも話してね
母はいつだって優しい。
無理やり聞き出そうとせず、 私が話せるようになるまで待ってくれるのだ
私はケーキだけ受け取って部屋に向かった
杏
優しくされたら勘違いするに決まってんじゃん
杏
ほんっと……
好きな人が居ると打ち明けた時、 徹も私と同じ気持ちだと思ったから なんにもしなかった
でもそれはただの思い違いだったというわけだ。
話せる事だけでも嬉しくて舞い上がっていた私がバカバカしく思えて 嫌悪感を抱く
杏
明日…休むか……
私はどうしても徹同じ教室に行ける気がしなくて






