作者
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五条先生に「いらない」と言われたあの日。
あの日から五条先生は出張で高専に居ない。
出張に行った事を虎杖達には伝えていた。
それが俺に伝わっていないのは。
俺がもう必要では無くなったからだろう。
考えれば当たり前な事だ。
無愛想で可愛げのない俺なんかより。
明るくて頼りになる二人の方が。
あの人にとっては、必要なのだろう。
あれから五条先生とは話していない。
五条先生に必要ないと言われた俺に。
五条先生と話す資格なんてない。
話した所で、迷惑になるだけだ。
でも、本当は…。
ピピピピ…ピピピピ…
伏黒恵
伏黒恵
伏黒恵
五条先生の事を考える度に。
五条先生の幻聴が、頭の中で響いてくる。
何度も何度も罵倒され。
俺の全てを否定される。
幻聴だと言うことが分かっていても。
いつか本当に、幻聴の通りに なってしまうかもしれない。
あの人は、いつだって俺を切り捨てられる。
実際に、俺はあの人に必要ないと言われた。
そんな俺が、ここに居る資格なんて。
…本当に、あるのだろうか?
伏黒恵
ずっと悩まされている、この幻聴も。
元はと言えば、俺が五条先生の期待に 応えられないせいだ。
俺が、いつまで経っても成長しないから。
あの人の期待に、答えられないから。
だから、こんな幻聴に悩まされるんだ。
全部、俺のせい。
言い訳になるかもしれないが、この幻聴の せいで、最近は全く寝れていない。
寝たくても、あの人の言葉で目が覚める。
夢だと分かっていても、 体は過剰に反応してしまう。
…全て、俺が招いた結果だというのに。
伏黒恵
ここ最近で、まともな睡眠は取れていない。
そのせいか、本来得意なはずの座学では 集中力が続かない上に、授業の内容すら 入らない事が多くなった。
任務でも、些細なミスが増え、 今では前よりも頻繁に医務室に通うことも 少なくはない。
五条先生が出張で居ないのが、 不幸中の幸いだろう。
こんな事が五条先生にバレたら。
伏黒恵
…いや、もう捨てられたような物か。
伏黒恵
最近は食欲もわかず、ゼリー飲料で 食事を済ます事も多くなった。
きっと、一回りは痩せているはずだ。
伏黒恵
ゼリーをひと口だけ飲み込む。
伏黒恵
伏黒恵
ガチャッ…
バタンッ…!
伏黒恵
伏黒恵
さっき飲み込んだゼリーを吐き出す。
飲み込んでも、体が受け付けてくれない。
固形物すら飲み込めない。
拒食症にでもなったと言うのだろうか。
これも、ここ最近続いている。
治したくても、どうすればいいのか。
全く分からない。
…本当は家入さんに相談したいが。
そんな事をすれば確実に、 この事が五条先生に伝わってしまう。
そんな事になれば、俺は…。
伏黒恵
伏黒恵
ジャー…
伏黒恵
今日だって、任務があるんだ。
今回は虎杖達と一緒に。
伏黒恵
伏黒恵
俺が、しっかりしないと。
まだ、倒れるわけにはいかない。
倒れるなら、せめて。
伏黒恵
そんな事を考えながら、 鳥居の所まで向かう。
この判断が、命取りになる事を。
この時の俺は、まだ知らなかった。
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コメント
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伏黒ー!