テラーノベル
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佐久良優華@百合漫画作成中
小さな手が、ぎゅっと私の手を握っていた
泣きそうな顔をした男の子が私の隣を歩いている
俯いたまま、ただぎゅうっと強く手を握る姿を見て思わず笑ってしまった
ベル・ベネット
そう言うと、むっとした顔をあげる
でも──
顔だけがぼやけて見えない。
分からない 思い出せない
なのに
不機嫌そうな声、手の温もり、泣きそうな空気は
なぜか、ちゃんと覚えている。
あの日も、たしか夕焼けだった
ピンクの雲がよく映えていた
いつものように、隣の庭先で
私がしゃがんで花をいじっていると、後ろから小さな足音が近づいてきた。
昔のユーリ・ブライアン
少し不機嫌そうな声が上から落ちる
ベル・ベネット
昔のユーリ・ブライアン
ぐんっと目の前に突き出された手
その手には少し歪んだ花冠が握られていた
ベル・ベネット
昔のユーリ・ブライアン
むっとした彼の声
ベル・ベネット
ベル・ベネット
頭に乗せてくるんと回ってみせた
まだ幼く、一人っ子だった私は
不器用な彼が可愛くて仕方がなかった
ベル・ベネット
昔のユーリ・ブライアン
ベル・ベネット
そう言って彼の頭を撫でた
彼はいつものように嬉しそうに笑った
ベル・ベネット
ベル・ベネット
歩き出すと、くんっと服の裾を掴まれた
昔のユーリ・ブライアン
昔のユーリ・ブライアン
ベル・ベネット
幼かった私は困って
少し笑って
ふと思ったことが口をついで出た
ベル・ベネット
その瞬間
空気が止まった。
掴まれていた手はいつの間にか離れていた
顔を上げた彼の表情は
今までにないほど傷ついていた
昔のユーリ・ブライアン
ベル・ベネット
昔のユーリ・ブライアン
泣きそうな声
そのまま背を向けて
小さくなっていくのを見つめていた
ベル・ベネット
いくら呼んでも振り返ってくれなかった
私はただその場で立ち尽くした
その場に残っていたのは
少し歪んだ花冠だけだった
景色がふっと白くなる
目が覚めた。
朝の光がカーテン越しに差し込んだ
ベル・ベネット
ベル・ベネット
ベル・ベネット
どうしてか、 あの時の声だけが、胸の奥に残っていた。
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