今日は成人式の日
僕はこれから更に夢に向かって進む
ドズル
挨拶回りもあらかた終わり
もう少し桜を見ていたくて家族と別れて桜の木の下にいた
僕の家はすぐ近くだし1人でも大丈夫
それにしても、雨は降らなくて良かった
ドォーン
突然、遠くで大きな音がした
ドズル
僕は先に帰った両親が心配で走った
前日の雨でスーツの裾が汚れるなんて気にせずに
早く、早く、早く
ドズル
着いた時には惨状が広がっていた
何かで倒れたのだろうタワーに押しつぶされた家
ドズル
あの家は僕の家
目はいい方だったから見えた
見えてしまった
瓦礫の下から流れ出る血が
見えてしまった
ドズル
もう助からない
医学の知識があるおかげで理解してしまった
自分には何も出来ないと
自覚した
女性
悲鳴が辺りに響いた
はっと我に返って周りを見る
女性
その言葉に声がした方を見れば
小さな女の子が片腕だけが肥大化した男に襲われていた
あの男はきっと異能悪用者だ
異能がない僕では太刀打ちできない
でも
女の子
女の子が僕を見た
僕は
考えるよりも早く体が動いていた
咄嗟に女の子の前に飛び出て抱き抱えた
それでどうなるとか何も分からなかったけど
守らなければと思った
ごうっ
そんな音がした
男
男
ドズル
男の言葉は理解できなかった
僕が異能力者?
無意識に閉じていた目を開けた
ドズル
目の前には真っ赤な炎
ぢりぢりと痛む背中
男
男が殴りかかってきた
咄嗟に炎を纏った拳を振るった
元から体は鍛えていたから
バキッ
肉がやける匂いと骨に手が当たったような感覚
男は立ち上がってまた殴りかかってきた
気が付いたら病院にいた
ドズル
体には包帯が巻かれている
点滴も横にある
ドズル
異能が発現したのか?
でもあの炎は確かに僕の体から出ていた
警察
ドズル
警察
ドズル
警察
ドズル
警察
ドズル
警察
ドズル
警察
異能研究会
異能が発現した人が参加するやつだよね?
警察
ドズル
僕に発現した異能は炎
いつ人を傷つけてしまうかも分からない
ドズル
警察
これから僕の新しい運命が回り出した