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本嬢 千里
ねえねえ、二人共
本嬢 千里
あそこ行かない？
律田 勇紀
あそこって？
本嬢 千里
秘密基地！
律田 光
あー、そういえば作ったなー...
律田 勇紀
今思うと、懐かしいな
本嬢 千里
うん、そうだね
本嬢 千里
てことで、行ってみようよ！
律田 勇紀
よし！行くか！
秘密基地にて─────
律田 光
まあ...予想はついてたけど....
律田 勇紀
ここまで酷いとは....
本嬢 千里
影も形も無いね...(笑)
律田 勇紀
作り直すか
本嬢 千里
え！でも、材料とか....
律田 勇紀
それなら大丈夫！だと、思う
律田 勇紀
家に木材が、沢山あるんだ
律田 光
あー、そういえばそうだな
律田 勇紀
俺、とってくるから少し待ってて！
本嬢 千里
ありがとう！
律田 勇紀
お待たせ
律田 光
ご苦労ご苦労
律田 勇紀
年下のくせに生意気な！
ごツンッ
律田 光
いって ！
律田 光
なにすんだ、このクソ兄貴！
本嬢 千里
ふふ...
律田 勇紀
？
本嬢 千里
なんか、懐かしいなーって！
律田 光
.......そうだな
本嬢 千里
じゃあ、始めよっか！
本嬢 千里
うっ....
本嬢 千里
(これ、重いなぁ....)
本嬢 千里
(木の上にいる、光に渡せば良いんだよね...)
本嬢 千里
光！これ！
律田 光
おう！
ガタッ
律田 光
あっ！！
律田 光
千里危ない！！！
本嬢 千里
え？
本嬢 千里
！？
本嬢 千里
いやああああ！
律田 勇紀
！？
律田 勇紀
............
本嬢 千里
え....
本嬢 千里
あれ...？
本嬢 千里
痛くない...
律田 光
え？
本嬢 千里
いやあ！
本嬢 千里
勇兄！？勇兄！！！
本嬢 千里
ねえ、返事してよ！！
本嬢 千里
......
律田 勇紀
.......
本嬢 千里
こ.....光.....光ぅぅぅう！！！
本嬢 千里
ううう...
律田 光
.......
本嬢 千里
.....光？
本嬢 千里
(光が泣いた所、初めて見た...)
律田 光
嘘だろ
律田 光
これ、兄貴じゃないよな.....
律田 光
俺、幻覚見てるんだよな...？
律田 光
なあ！！兄貴ぃぃ！！
本嬢 千里
光.....
本嬢 千里
あ....
本嬢 千里
おば....さんに...連絡.....
医者
打ち所が悪かったようです....
医者
もう、助かりません....
律田家 母
勇紀......どうにかして下さいよ！！
律田家 母
ねえ！！あああああ......
律田家 母
何で、勇紀がああああああ......
医者
全力はつくします....
本嬢 千里
私の...せい.....
本嬢 千里
私が、光にちゃんと渡さなかったからよ......
律田 光
俺がちゃんと受け取らなかったから......
本嬢 千里
光は悪くない....
本嬢 千里
全部... 全部私が.......！
律田 光
千里は、悪くないだろ！
律田 光
全部俺の、不注意だ.....
律田家 母
二人とも、自分を責めないで....
律田家 母
誰も悪くないわ......
律田家 母
事故よ、あれは事故なの.....
律田家 母
誰も...悪くなんか....ないわ....
律田 光
(俺、兄貴の分まで絶対幸せに生きる....)
律田 光
(そして俺は、兄貴が何より望んでること....)
律田 光
(千里を守る)
律田 光
(兄貴の変わりに、幸せにしたい)
律田 光
(俺、千里が好きだったんだよ)
律田 光
(でも、今日までそれに気が付かなかった)
律田 光
(兄貴、俺千里を幸せにするから)
律田 光
(空で見守ってろよ、兄貴)
律田 光
千里、俺.....
本嬢 千里
......
律田 光
(......はっ)
律田 光
(当たり前か)
律田 光
(やっぱり、千里は兄貴の事しか眼中に無かったんだ)
律田 光
(俺の入る隙間なんて....)
律田 光
(それでも絶対、諦めない)
律田 光
(兄貴、俺頑張るから)
律田 光
(兄貴は、誰よりも賢くて)
律田 光
(誰よりも、他人の事を考える人だった)
律田 光
(そんな兄貴を知ってるからこそ、言える)
律田 光
(兄貴は、俺や母ちゃんそして千里)
律田 光
(みんなの幸せを願ってるはずだ)
律田 光
(だから、俺がみんなを幸せにするよ)
律田 光
(絶対に...)
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