先生の小説の出版が決まってから
数日が経った。
那月
私には夢ができた
那月
約束した
私はうすうすと気づいていた
帰らなければならないこと。
那月
先生のために…。
那月
自分のためにも…。
那月
少しは頑張らなくちゃ
那月
まずは帰れる方法を探すこと。
那月
先生
那月
お話があります
俊
どうしたんだい?
那月
もう、先生の本の出版が決まりました
那月
改めて、おめでとうございます
俊
ありがとう、那月ちゃん
那月
先生、お忘れでしょうか、。
那月
私はタイムスリップしてきました
那月
私は現代、いわゆる私が生きていた時代に帰らなければ行けません
俊
!
俊
そうだったな…。
那月
でも私は、ここの時代に来て
那月
1ミリたりとも帰りたいとは思いませんでした
那月
それは、先生がいたから
俊
え?
那月
先生が私を救ってくれました
那月
だから夢も、帰る覚悟も
那月
見つかることが出来ました
那月
先生
那月
一緒に現代に帰れる方法を
那月
探してくれませんか
那月
私からの
最後のお願いです
俊
……
俊
うむ
俊
いいだろう
俊
君のために、精一杯頑張る
俊
最後の願いなのなら…。
蔿澄
あれ、なっちゃんなやい
蔿澄
そんなところで何しよるの?
那月
かすみちゃん
那月
こんにちは、!
蔿澄
こんにちは?
那月
今、思い出作りをしているの
蔿澄
思い出?
蔿澄
一体なぜ?
那月
私、もうすぐこの街をでるの
蔿澄
えぇ!?
蔿澄
どうして、!
那月
自分の夢が見つかったの
那月
ずっと前から決めてた、夢が見つかったら街を出るって、
那月
せっかく友達になってくれたのに、ごめんなさい
蔿澄
いえ、そんな!
蔿澄
離れていても友達よ!
那月
かすみちゃん…!
蔿澄
いつ頃出るつもり?
那月
まだわからない
那月
今日が最後になるかもしれないし…
蔿澄
実はね
蔿澄
かすみもこの街を出るの
那月
え?
蔿澄
また大阪へ戻るんだって
蔿澄
ちょうど良かったんかもなぁ
蔿澄
って、かすみは今思った!
蔿澄
うちら、仲良しやね!
蔿澄
(*´ ˘ `*)
那月
かすみちゃん…
ギュッ
蔿澄
え!!
蔿澄
どなんしたん急に!
那月
ありがとう、ありがとう😭
蔿澄
いいえ、こちらこそやで〜!!
那月
じゃあ、私そろそろ行くね
蔿澄
うん!
那月
さようなら、お元気で!
蔿澄
さようなら〜!
那月
?
那月
雅二郎くん、。
雅二郎
那月
雅二郎
お前、帰るのか
那月
え
那月
どうして…
雅二郎
先生から聞いた
雅二郎
俺さ、
雅二郎
お前のおかげって言ったらあれなんだが…
雅二郎
お前のおかげで自分変われた気がする
那月
え?
雅二郎
昔は、
雅二郎
みんな嫌いだった
雅二郎
この世の全てが
雅二郎
嫌いだった
雅二郎
だけど
雅二郎
那月のその性格が
雅二郎
俺を変えてくれたんだと思う
雅二郎
人嫌いな俺が
雅二郎
知らない人に興味を持つなんて
雅二郎
初めてだった
那月
雅二郎くん…。
雅二郎
那月は俺の
”最初で最後の友達だ”
雅二郎
ありがとう
那月
こちらこそ
那月
友達だって思ってもらったこと
那月
一緒に過ごしてくれたこの短い間
那月
すっごい嬉しかったし
那月
楽しかった
那月
ありがとう。
那月
雅二郎くん、画家目指すの?
雅二郎
そう思ってる
雅二郎
絵は俺の1番の相棒さ
雅二郎
お前も夢に向かって
頑張れよ。
那月
たくさんの人から希望を貰った
那月
勇気を貰った
那月
ただ…
那月
帰れる方法が見つからない
那月
どうしたら帰れる…
那月
ヒントが欲しい
那月
ヒントを…ヒントを…。
那月
那月
え?
______と。
那月
!?
那月
そうだ!