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放課後。
黄は一人で教室に残っていた。
ゴミ捨て。
プリント整理。
黒板掃除。
全部押し付けられた仕事。
でも断れない。
クラスメイト
その一言で終わる。
ガラッ。
教室の扉が開いた。
紫
紫色の髪。
紫だった。
黄は慌てて笑う。
黄
紫は散らかった机を見る。
明らかに、 一人分じゃない。
紫
黄
即答。
でも目が泳いでいる。
紫は眉を寄せた。
紫
黄
紫
その言葉に、 黄は少し黙った。
それから。
困ったように笑った。
黄
その声は、 あまりにも自然だった。
まるで、 ”当たり前の事実”みたいに。
紫は言葉を失った。
その日の帰り道。
紫は桃に聞いた。
紫
桃はしばらく黙っていた。
そして小さく答える。
桃
風が吹く。
夕焼けが滲む。
桃
紫
桃
桃
紫の顔が曇る。
桃
『黄泣いてたらしい』 『キモ』 『被害者ぶってる』
教室で笑われた。
その日から。
黄は、 ”助けて”を言えなくなった。
桃
桃は俯いた。
桃
夜。
黄の家。
古いアパート。
灯りは薄暗い。
冷蔵庫には何もない。
テーブルには、 空のカップ麺。
母親は帰ってこない。
父親は知らない。
最初から、 家族なんてものはなかった。
黄は制服のまま座り込む。
静かだった。
静かすぎた。
だから、 学校で言われた言葉が全部蘇る。
『キモ』 『死ね』 『顔ムカつく』
耳鳴り。
呼吸が浅くなる。
苦しい。
でも、 泣けなかった。
机の引き出しを開ける。
中にはノート。
『卒業まで、401日』
カウントダウン。
生きなきゃいけない残り日数。
黄は数字を見つめる。
そして、 ぼんやり思う。
”あと少し”
その感情だけが、 唯一の希望だった。