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蛇と穢れ 下

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蛇と穢れ 下

1 - 蛇と穢れ 下

2018年05月27日

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翌日

沙羅

さて、ここが例の廃墟じゃな

沙羅

酷い荒れ具合じゃの~

花菜

うん…

花菜

…でも何かの気配はしないね

沙羅

うーん、どうじゃろうなぁ

沙羅

気配はないが匂いがするぞ

沙羅

間違いない、嫌な穢れの匂いじゃ

沙羅

手遅れにならねばよいがの

花菜

うん…

花菜

!あれ、ユミちゃんだ…

沙羅

お、早速来たか

沙羅

ならば儂らは様子を見守っていよう

花菜

う、うん…

ユミ

…こんにちは

ユミ

今日もお菓子持ってきたよ

ユミ

生ものだからすぐに食べてね

花菜

…扉からコンビニのスイーツあげてる…

花菜

相手は何なんだろう…

沙羅

まぁ生き物ではあろうな

沙羅

だが獣の匂いはしていないからの

沙羅

犬猫の類いでないのは確かじゃぞ

花菜

そっか…

ユミ

…美味しい?

ユミ

よかった…

ユミ

ねぇ、よかったらうちに来ない?

ユミ

ここじゃ寂しいでしょう?

ユミ

ユミ

…そっか…

ユミ

大丈夫だよ、またここに来るから

ユミ

毎日でも通うよ

花菜

…本当に楽しそう…

沙羅

確かにな…

沙羅

本気で奴を愛でておるようじゃの

ユミ

…あ、もうこんな時間…

ユミ

そろそろ帰るね

ユミ

また明日来るから

花菜

…あ、こっち来る…

ユミ

!あれ、花菜ちゃんとお姉さん?

ユミ

二人とも、ここで何してるの?

花菜

ごめんねユミちゃん

沙羅

儂らはあの扉の向こうの奴に用があるもんでの

ユミ

!えっ…?

沙羅

何、少し会話するだけじゃ

沙羅

おい、聞こえておろう

沙羅

大人しく姿を見せい

沙羅

そうすれば悪いようにはせんぞ

ユミ

やっやめて…!

花菜

ユミちゃん

ユミ

あの子は怖がりなの

ユミ

お願い、怖がらせないであげて…!

花菜

え?

ユミ

あの子は悪い子じゃないの

ユミ

お願い、やめてあげて…!

花菜

ユミちゃん…

沙羅

大丈夫じゃ、儂らは苛めるつもりはないよ

沙羅

ただの、奴の正体を知らねばならぬ

沙羅

少し悪い予感がするからの

花菜

沙羅…

沙羅

ほれ、早う顔を見せい

沙羅

儂らはいつまでも待ってはやらんぞ

花菜

花菜

反応がないね…

沙羅

でも逃げてはおらんぞ

沙羅

どれ、仕方のない奴じゃ

沙羅

来ないならこちらから行くぞ

ユミ

ま、待って…!

花菜

ユミちゃん

花菜

ごめんねユミちゃん

花菜

沙羅は何もしないから

花菜

ここで待っていよう?

沙羅

おや、かくれんぼか…

沙羅

仕方のない奴じゃ、儂はかくれんぼは得意じゃぞ

???

???

沙羅

沙羅

見ーつけた

???

!っ…

沙羅

ほほぉ、お前蜥蜴であったか

沙羅

なら儂を恐れるのも道理じゃの

沙羅

それにしてもえらい汚れておるの~

沙羅

お前どこからか逃げてきたものじゃな

???

っ…

ユミ

ま、待って…!

花菜

ユミちゃん…!

花菜

!それは…

花菜

トカゲ…?

沙羅

うむ

沙羅

扉の向こうにいた奴じゃよ

沙羅

人と蜥蜴の間の子のような成りじゃの

???

っ…

ユミ

や、やめて…!

ユミ

お願い、放してあげて…!

沙羅

さぁ、どうしようかの

花菜

沙羅、何でそんな事…

花菜

その子はそんなに悪い子なの?

沙羅

さぁ、どうじゃろうな

沙羅

今はまだ何とも言えんが…

沙羅

後でゆっくり聞く必要がありそうじゃの

???

!っ…

ユミ

お願い、もうやめて…!

ユミ

その子は悪い子じゃないのに何で苛めるの?

ユミ

もうやめてあげて…!

???

!…

花菜

ゆ、ユミちゃん…

???

…放して

花菜

え…?

???

放して…!

花菜

!黒いもやが…

沙羅

ほぉ、やはりの

沙羅

お前達は下がっておれ

花菜

沙羅…

沙羅

奴は穢れを孕んでおったからの、

沙羅

引き出さない事には祓えなかったんじゃよ

沙羅

さて、蜥蜴よ

沙羅

苦しいだろうがもう少しの辛抱じゃ

沙羅

今穢れを取り除いてやるからの

???

っ…

???

グオォオォオォ…!

花菜

!うわっ…

花菜

何?

沙羅

ほぉ、お前蜥蜴じゃなくて“龍”であったか

沙羅

すごいの~

花菜

そんな感心してる場合じゃないでしょ、

花菜

どうするのこれ…

沙羅

大丈夫大丈夫

沙羅

ほれ、お前達は外に出ておれ

沙羅

あとは儂がやろう

花菜

う、うん…

花菜

ユミちゃん、行こう

ユミ

で、でも…

花菜

いいから早く、巻き込まれちゃうよ

ユミ

は、花菜ちゃん…

沙羅

…行ったようじゃな

沙羅

さて、“龍”よ

沙羅

その身の穢れ、儂が全て引き受けてやろう

???

グオォオォオォ!

???

花菜

!うわっ…

ユミ

!きゃあっ…

花菜

…大丈夫、大丈夫だよ

花菜

もう少しで終わるはず…

???

???

???

沙羅

うむ、これで全部じゃな

沙羅

何故このような穢れを宿したのか

沙羅

傷だらけの体を見れば分かるがの…

沙羅

穢れを出すためとはいえ乱暴にしてすまなかったな

沙羅

お前も辛い思いをしたんじゃろう

沙羅

安心せい、穢れは儂が綺麗さっぱり取り除いたからの

沙羅

これでもう穢れを孕む事はあるまいよ

沙羅

今はゆっくり休め

花菜

…遅いなぁ…

花菜

静かになってから大分経つのに…

沙羅

遅くなったの

花菜

沙羅…

ユミ

お姉さん!

ユミ

あの子は…あの子は?

沙羅

案ずるな、奴は無事じゃよ

沙羅

ただ今は眠っておるからの

沙羅

会うのはまた今度じゃ

ユミ

そ、そっか…

花菜

…とにかく帰ろう

ユミ

う、うん…

数日後

花菜

…そういやユミちゃんね、

花菜

あれからあの廃墟に行ってみたんだけど

花菜

姿を見せなくなっちゃったんだって…

花菜

あれは一体何だったんだろうね…

沙羅

ん~?

沙羅

さぁなぁ、儂にもよく分からん

沙羅

“龍”ではあったが、人でも蜥蜴のようでもあったからの

沙羅

まぁ何にせよもう会うことはあるまいよ

花菜

そっか…

沙羅

(…それにしてもああいうのが出てくるとはの…)

沙羅

(“龍”にしては随分と妙な姿をしていた)

沙羅

(それにあの体にあった数字は一体…)

沙羅

(…少し嫌な予感がするの…)

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