悠佑
初兎
今から俺は初兎に、ずっと 気になってたことについて聞く 多分、初兎は驚くやろう
悠佑
初兎
首を傾げてそう聞くと、まあ 想定内…より少し上くらい固まった。
悠佑
数秒経った後に近所迷惑に ならない程度の大声で呼びかけた
初兎
だ、いじょうぶ……ヤデ
悠佑
どう思っとるん?
全くそうは見えないのが面白くて 笑いそうになるのを堪えて、 質問の返答を待った
初兎
まあ、えと、とと、
友達として……好きかな…
悠佑
友達として、なぁ?
多分、やけど俺の顔は今、 にやけきっていると思う。
悠佑
それもこれも全部、わかりやすすぎる 初兎のせいなんやけどな!
悠佑
今から言うポイントを押さえれば 簡単に初兎のことを攻撃できる
初兎
一つ目、初兎の目をしっかりと見て 言うこと。
悠佑
二つ目、笑いかけるように、 愛おしいものを見るかのよに、 そう言うんや。 そうすると……
初兎
初兎
初兎は固まる! まあ、今初めて試したんやけどな。
悠佑
友達として、なんて
付き合ってもないし、なんなら 高校の時に出会ったやつやけど、 俺のこと好きなら別や
悠佑
特別に、俺がチャンスやったろう
初兎
ふふん、と鼻を高くして、 にまにまとしている悠佑と なにやら様子がおかしい初兎。
悠佑
この場にないこがいたらきっと、 アニキ逃げて!と言うだろう。
初兎
だが、もう遅い
初兎
悠佑
いきなり、初兎の腕が伸びてきて 俺の頬に触れた。
初兎
悠佑
さっきまでのヘタレ具合は どうしたと言わんばかりの イケメンオーラに圧倒され、 悠佑の顔は紅く染まっていった
悠佑
いきなり、どうしたん…?
可愛く頬を染めていたお前は どこへ行ったんや…!?
初兎
初兎が不敵に笑う 不覚にもドキッとした悠佑がいた
初兎
悠くんが気づいて
くれたんやもん
悠佑
言葉の意味を理解できないと 言わんばかりの顔をした悠佑に 初兎はハッキリと告げる
初兎
初兎
ずーーーっと
大好きやったんやで?
悠佑
出会った時、つまり…… 初兎が高校一年やったときから!?
初兎
アピールに変えて、
よーやく反応してくれた
初兎
本音がついつい飛び出してきたのか いきなり大声で言葉を放った。
悠佑
怖気付いたのか、反射で謝る悠佑を 見て初兎は唇をとんがらせながら
初兎
気づいてや
と、言った
初兎
わかってくれたみたいやし
初兎
ことでええんよね?
たしかに俺は、好き、と言った。 その気持ちに嘘偽りはない。
ないんやけど……
悠佑
初兎
初兎の渾身の「はぁ?」が出るほど、 俺の言っとることの意味が分からない ということなんやろう
だが、俺は言う!
悠佑
なんかいやや!
悠佑
悠佑
ことに変わりないんやし!
初兎
呆れと怒りと可愛い後輩と言われて 嬉しい気持ちが混じり合っている ような顔をしている。
そんなことにはお構いなしに 悠佑は話を進めていく
悠佑
悠佑
考えてきてや!
初兎
な、なななんで急に!?
流石にそんな言葉が出てくるとは 思っていなかったのか、 頬が紅く染まってきている
悠佑
俺のこと考えてくれとるか
見るためや!
悠佑
俺は初兎と付き合って、
悠佑
初兎とは付き合わん!
初兎
反応はやっぱり想定よりも、少し上や
悠佑
ふふん、と笑って見せると初兎は
初兎
と言って、やってやるという目を 俺に向けてきた
悠佑
俺の彼氏に相応しい!