"よっおはよ"
"おはようございます....."
肩にヘッドホンを掛けた、
超絶陽キャなクラスメイトに肩を叩かれ声をかけられた。
今までにないはじめての経験だったから、
言葉が尻すぼみになっていく。
"どうした笑同じクラスで同級生だよ笑!"
"そんな怖がんなし笑"
"おーい陥没〜!!行くぞ〜"
"そんな陰キャは気にすんなし!!!笑"
"おーい待てって!!!てか陰キャ気にすんなってなんだよ笑!!"
"じゃあな"
とぼそっと呟きまた彼に肩を叩かれ彼は下駄箱を去った。
陽キャに絡まれるなんてすごく嫌だ。
だが少し胸がドキッとした。
お昼休み。
朝の出来事の印象が強く、
さっきまでの授業の内容は、
ほぼ頭にない。
むしろ真っ白だ。
"よっ"
と朝に聞いたあの声が。
私は驚きで肩がビクッとした。
"お昼一緒に学食行かね?"
私は歩くスピードを早くした。
"お弁当持ってきてるので...."
"え!お弁当持ってきてんの!!!見せて!!!"
"ごめんなさい遠慮しておきます....."
私はさらに歩くスピードを上げる。
"えっちょねぇ!!"
どんどん彼の声が遠ざかってく。
もうついてこられるのは勘弁だ。
体育館裏
やっと逃げれた。
これ以上ついてこられると私自身の心臓が持たない。
冷静になりたく人がいないところを選んだ。
陽キャとは関わりたくないと思ってたけど、
実際に彼のことを好きになってしまってる。
バレンタインである今日
チョコをもって告白しようとか、
そんなことしたら、
陰キャの私は嫌われるだけだし、
なら告白なんてせずに、
ただチョコを下駄箱に入れとくだけでいい。
そしてただのクラスメイトでいい。
"あぁ!!!!いた!!!!"
その声の主は、
私が好きな彼だ。
"ちょっとそこから動かないで!!!"
彼は逃げようとした私の動きを察したらしい。
"ちょっと今日はなんなんですか、!"
思い切って言ってみた。
"ずっとこれ渡したかっただけなんだ"
"これって...."
"前そのピン付けてるの見た事あったから、
きっとそうだろうと思って、はい"
"ありがとうございます...."
引っ越してしまった親友からもらったヘアピンを、
私は数ヶ月前に無くしてしまった。
それを拾ったのが彼だった。
"でせっかくだからこれも"
と手渡されたのは、
"チョコ...?"
"そ、逆本命チョコ"
その単語に私は思わず顔を上げる。
"僕は入学式の初日に君に一目惚れしたんだよ"
"僕は貴方が好きです。付き合ってください"
思わぬ発言に胸のドキドキが止まらない。
"あのっ私もっ!!!"
スクバの中からチョコを取り出す。
"はい、どうぞ...."
"これって.....もしかして...."
"本命チョコです。"
"それも貴方の好きなビターチョコです"
"てことは....."
彼が強く私の事を抱きしめる。
さぁ始めよう。
少しビターでミルクな恋愛を。
コメント
12件
かかかかかかか陥没?!?!
バレンタイデーはもうリア充ぱーりない(とは
バレンタインデー キッス 😳💖