ーガチャ……
日本はコンビニの【扉】を押し開けて、中に入った。
ここは、まだ日本国内では、ない。
社畜日本
日本は、膝に両手を付きながら、荒い息を整える。
日本の頭の中は、アメリカでいっぱいだった。彼の言葉、態度、体温、吐息……そして、自らの心臓がドクドクと脈打つ感覚…… ーーいくらなんでも、リアル過ぎる ーー本当に、夢じゃないのか? 日本の胸の中で、疑念がふくらむ。
日本の足元の影が、不意に大きくなった。日本は反射的に、その場を飛び退く。
カナダ
日本が正面を見添えると、カナダがいた。
カナダ
社畜日本
と、言いつつも日本は心臓がドクドクと跳ねていた。一瞬、アメリカかと思ったのだ。
カナダ
社畜日本
カナダ
日本はカナダを警戒した面持ちで見つめるが、カナダは気にした風もなく、愉しげに笑う。
カナダ
カナダ
カナダ
社畜日本
カナダ
カナダ
社畜日本
日本は、ようやく状況が可笑しいことに気が付いてきた。先程までは、夢だと思い込んでいたものの…… ーーもし、現実なら? という思考が芽生え始めてきたのだ。
カナダ
社畜日本
カナダの言葉の節々には心配がにじんでいるももののーー対等な友人に掛ける言葉にしては毛色が違う。
ーーまるで、子供扱いだな… と、日本は思った。
カナダ
カナダ
カナダ
ニコリ、とカナダは微笑んだ。その笑みは、穏やかではあるもののーー何故か日本は悪寒を感じた。
日本は、警戒の面持ちでカナダを見つめる。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
カナダ
カナダは、おもむろに日本へ近づく。日本は、いつでも逃げ出せるように、警戒してカナダを見る。
カナダ
カナダが日本に渡したのは、先程日本が断ったメープルである。 茶色い瓶の中に琥珀色の液体がたっぷりと詰め込まれていた。 一目見るだけでも、その装飾や文字から高級だと分かる。
カナダ
カナダは、日本の手の中に無理やりメープルの瓶を押し付けて、ギュッとと日本の手を上から抑え込み握らせる。
カナダ
カナダは微笑んでいるものの、その顔には有無を言わせない圧力があった。
日本は、既視感を覚えた。心臓がドクドクと早鐘を打ち始めた。 カナダの瞳は、ドロリとした闇くて熱いナニカが内包されていた。 まるで、あの時のアメリカのよう。
カナダ
カナダは日本から手を離した。
カナダ
カナダはヒラヒラと手を振りながら、コンビニから出て行った。
社畜日本
日本は手元のメープルを見下ろした ーーやはり、高級そうである。
日本は手元のメープルを見下ろした ーーやはり、高級そうである。 そこでふと、酒と合わせてもメープルは美味しいことを思い出した。
社畜日本
日本の中で、警戒心と食への探究心が天秤に掛けられた。
社畜日本
僅差で、食の探究心が勝った。
日本は、近くのスーパーに行って、一番高いウィスキーを購入した。
夕暮れの公園
日本は、ベンチに座ってウィスキーのボトルを開けた。
まずは、何も入れずに一口飲む。
社畜日本
社畜日本
日本は、一口飲んで早々に顔をしかめる。 このウィスキーの度数は60度。 普段は、ビール(5〜3度)しか飲まない日本には、慣れない味である。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
日本は、ウィスキーの瓶に対し、メープルの瓶の口を1センチほど離し、上からいれようと、する。 しかし、中々狙いが定まらない。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
社畜日本
日本は、メープルの瓶を持ち上げると、ヒョイと口の中へ注ぐ。
社畜日本
社畜日本
日本は、急いでティッシュを取り出して、そこにメープルを吐き出した。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
社畜日本
日本は、勢いよくベンチから、立ち上がる。
日本さ、公園に有った水栓に直行して、口を何度もゆすいだ。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
不意に、日本は体を熱を感じた。 体温が上がっている気がする。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
日本は、国連に助けて貰う必要があるか?ーーとも考えた。 しかし、この夢?は狂っている。 国連も、もれなく狂っている可能性が有った。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
そこでふと、日本は日帝たちのことを思い出した。 すくなくとも彼らは、日本に対して危害を加える事は無かったのだ。
社畜日本
社畜日本
社畜日本
日本は、ゆっくりと日本の家の方向へ進み始めた。
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