TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

♪~♪~♪(クリスマスソング)

笑顔の子供

キャハハハッ♪クリスマス♪クリスマスー♪

笑顔の子供

ママ、帰ったらケーキ食べたい!

笑顔の子供

パパ、今年もサンタさん来てくれるかな!

笑顔の子供

ちゃんとお手紙窓に張り付けたから住所分かるよね!

笑顔の子供

うん!来年もいい子にする!パパ、ママ、だーいすき!♡

kn

ハン

 

……。

絶対来る場所ミスったー!

私たちにクリスマスなんて場違いだー!

半角カナで鼻で笑ったようなknさんは職場の上司、あまりに眩しすぎる子連れを半開きの眼差しで見つめ、ケチャップ増量のオムライスをむにむに食べていらっしゃる。

私は……私は憧れの上司に声をかけられてホイホイ付いてきてしまった……それにしても真冬にテラス席はないでしょう上司!?

kn

可哀想になあ、あんなに笑顔の眩しい子供もいつかは闇に気づいてしまうんやで。

 

は、はあ……

kn

俺は前から思っててん、第一コミュニティは虚構、嘘、幻やて。

 

なるほどぅ……

普段は笑い声が豪快で気持ちがいい愉快な上司で、それでいて博識で集中力のある頼れる上司なのだ。

しかしことさら、家族の話題になるとコネだす。

私の正面に置かれたホットコーヒーも冷え冷えですよ……。

kn

でな、…………があって、………………とかもな、………………やねん。

 

そうなんですね……

私は今……複雑な想いに囚われている。

本当に、あと少しのタイミングで上司に告白しようとしてた。

そこに横切る幸せそうな家族……knさんが家族というワードが地雷ってことは前から知ってた、特定の恋人を苦手とすることも分かってた。

それでも結局、私は彼を好きになってしまった。

玉砕覚悟で打ち明けようとしたのにも関わらず……これじゃ無血開城みたいなものだ、戦わずして敗北したってやつ。

 

はあ……

kn

どした?疲れたか?

 

ああ、いえ!そういうわけじゃないんです!

kn

そーか、無理やったら言ってくれよ?

 

は、はあ

それが出来ないから困っています!

だって好きな人と話せるってだけで嬉しいから!

それならしょうがないか!

というか、相変わらず普通の人が濁すところを隠さずズバズバ言ってくれる……

その豪胆さが魅力のひとつと思うんだけどね。

kn

君のとこはー、あれなの?年末は実家帰る感じかい?

 

そうですね、実家の犬が未だにお父さんになつかなくて……私しかブラッシングさせてくれないから定期的に帰ってるんですよ。

kn

ふんふん

 

父ったらコロに赤ちゃん言葉で話しかけてるんですよ!普段は厳格な職人気質なのに……多分コロもそれが不気味で吠えてるんだと思います。

kn

あっはっは!それおもろいな、堅物の父ちゃんが赤ちゃん言葉か!

 

もうひどいんですーw「コロちゅぁん、コロちゅぁんまんま食べまちゅかー?」って私がいることも気づかず話しかけてて吠えられて、私に気づいた時の父の顔は忘れられませんw

kn

ンフフッ、ふふ、ふっあーはっはっ!ええな、一度君のおとんと呑んでみたいわ、そういうギャップ嫌いじゃないよ~?

 

父、酔っても赤ちゃん言葉になるから……やめた方がいいですよ?

kn

っーはっはっは!想像したらっ……wおもろすぎる、おもろすぎるっ!

良かった、父の尊厳は崩壊したけれど家族の話題でこんなに笑うknさん初めて見たかも、父さんは犠牲になったのよ……。

調子に乗って父に会います?なんて聞こうとしたけど止めた。多分真顔で断られるから……なんとなくそう思う。

kn

あーうん、あのさ……

 

はい?

kn

あんまこういうこと聞くの、よろしくないとは思うんやけどね、ふん。

 

はあ。

珍しい……いつもズバッと言い切るknさんがしどろもどろになってる。

kn

君は、その……将来を共にすると決めた人とかおるんか?答えたくなかったらええよ、全然強制したくないから!

後半の勢いに押されて質問が何か飛んだ。えーと

 

いえ、私は……多分ずっと独身です。

kn

なんでや?なんか含みある言い方やな?

 

ええ、好きな人が家族を持ちたがらないから……告白する勇気も出なくて……

これって、あまりにも正直に言いすぎたかな……?

kn

そら、あかんよ。もったいない、もったいない言うのも変やけど、一旦言ってみたらどうや?

あ、これは気づいてないパターンですよね……ですよね……。

 

でも、その人の嫌なことはしたくないから…

kn

でも、諦めてまうんか?

 

……!

 

本当は……本当に、大好きで……!諦めようとしても諦めきれなくて……!

kn

そうか、そこまで言えんのか。

kn

まあ、俺は待つよ。

 

……………………えっ?

 

え、えっえっえ?

 

アノ……キヅイテタンデスカ?

kn

ンフフ~?

 

アノ、イツカラ……

kn

ンーフフ~?

この人には敵いそうもない……

 

……knさんは家族とか苦手でしょう?

kn

それは、俺の第一コミュニティのことや。おとんが作ったコミュニティは崩壊してた。それは偽りや、嘘や、まがいものやん。

kn

でも俺が作るコミュニティは、また別やと思う。

kn

家族計画とかしてる訳やないけど我ながら良い旦那にはなれへんと思うんよな。

 

そんなことないと思いますけど……

kn

まあ、俺なりに努力するし改善しようと、レベルアップしようと、家族を守ろうと普通になれればと思うのでよろしくお願いします!

 

は、はいよろしくお願いします!

kn

……あれ、今のって告白になる?

 

…………ナリマス、ネ……

kn

あは……あはは、それじゃ……改めてよろしく……

 

ハ、ハイ……

なんか流れで付き合うことになっちゃった……?

これは夢?もう……夢でもいいから覚めないで欲しい。

なんて素敵なクリスマスプレゼントなの……!

……メリークリスマス♪

クリスマスの主役は!

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

45

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚