救った人（かげよこ）

不思議な顔をした同い年ぐらいの子が近寄ってきた

そう言いハンカチを渡してくれた

その子は黙って俺の顔と体を拭いてくれた

そう言ったその子は自分の上着を脱ぎだした

ジャンバーで俺の髪を拭いてくれた

なんでこんなに優しいんだろう

僕に優しく接してくれる人が久しぶりで

涙を零した

そして俺の涙を手で拭ってくれた

笑顔で話してくれる君につられて久しぶりに笑った

先に帰る理由は

答え合わせだ

大河に聞いたところ

横原という人のクラスは1組らしい

下駄箱を確認するとまだ学校にいるようだった

そう思って1組の下駄箱に居ると

すると下駄箱に来て

やばい完全変な人じゃん

また驚いた顔をする横原

横原の友達がそそくさと出ていった

横原が俺を驚いた顔で見てきた

それもそうか

そう言った横原は靴を履き替えた瞬間出ていこうとした

俺は横原の腕を掴んで

横原は俺の顔も見ず

掴んだ腕は小さく震えていた

そう言って横原は早歩きで出ていった

なんで横原はあんな謝るんだろう、

横原と呼んだ俺はどこか懐かしさがあった

あ〜横原のこと好きになったなぁ

こんなことは俺の中でしまっているだけで日常茶飯事

毎回その場では普通にしてるけど1人になった途端振り返ってしまう

俺、横原の腕触れちゃったし、

どうしたらもっと仲良くなれるかな、

あの、横原の友達はどうやって仲良くなったんだろう

名前も知らないし

今度聞いてみようかな

翌日

昨日の横原を振り返りながら登校する

やっぱり声震えてたのよな、、

どこか聞いたことがある声だった

そんなはずないのに

あっ横原の友達と、、みたことない、

いや、あ！

隣のクラスの人だ

話しかけてみるか、

入学式

友達がいなかったから誰でもいいから友達がほしかった

後ろの席の奴、、

ずっと寝てんの？顔見てねーな

まあいっか

そういっておかしなものを見るように俺を見てきた

分かったなんて相槌変なやつだなと思ったけど

特に気にしなかった

下の名前は教えてくれなかった

横原、やっぱなんかあるのかな

あとなんで俺の名前と小学校を知っていたのか、

やっぱり聞きたいな、

もう１回、聞いてみよう

放課後

早歩きで1組の教室に行く

待ってみることにした

基と一緒に帰るのか、、

2人が教室から出てきた

俺の隣に横原がいる、、

俺よりちょっと身長低いのかな、、

基って怖いイメージだったけど

結構いいやつじゃん

やばい、横原とふたりだ

変に意識するとやばいな

横原の歩くスピードが分かりやすく遅くなる

やっぱり教えたくないのかな

横原の声が震えていた

この顔、

この泣きそうな顔

見覚えがあった