呪われた物語

一方その頃……………

その時だった

ドンッ

炎光は少女とぶつかってしまった

花恋はお辞儀をして炎光と別れた

その頃、花を監禁した少女の話が終わっていた

花が氷人に聞いた少女の話………花を監禁して最後は屋上から飛び降りた

その少女は、氷人が"凛"と口にしていた少女の事だったのだ

キィィィィ………バタン

氷人との話が終わってすぐ

水輝はもう一度、花の部屋に来ていた

花は顔色が悪く眠っている

水輝は花の手を握り、跪く

………教えないと、藤咲さんに

まあ流石に…………明日とかには言えないけど

突然話して混乱させたらいけないし……………………協力者を見つけてからの方がいいよね

でも

誰かを殺してると思いながら日常を過ごすなんて、そんなのいつか心が壊れてしまう

…………だからなるべく早く解決する

………それで伝えるんだ

…………君は悪くないって

そのためにまずは周りを見よう

協力者は………藤咲さんと関わりを持ってる可能性がある

さすがに神崎さんや月人さんと炎光、会長は違うはずだから他の接点を見つけないと

…………明日から

水輝が花から離れようとすると

花が水輝の服の裾を掴んでいた

けれど花は、ほぼ寝ている状態だ

花は力尽きてまた眠りにつく

水輝は呆然としていた

凛って人が藤咲さんを監禁してたのは悪い事だけど

藤咲さんにとっては…………大切な人だったのかもしれない

その人と過ごす時間が、幸せだったのかもしれない

魔女の親を倒したら記憶を戻してもらえるんだっけ

凛っていう人の事を聞いたついでに聞いたけど

藤咲さんの事だからきっと一人で頑張ろうとするんだろうなあ……………

その愛が俺だったらいいのに

…………なんて、言えるわけないよ

………？

どこだろ、知らない場所

なのに…………

なんでこんな

花が振り返ると、そこには長い髪の女性と

幼い姿の花だった

………向こうには私が見えてないのかな？

私が無くした記憶と関係があるかもしれない……………

こんなことありえない

だって私は誰かに好きなんて言わないもの

なのに………なんだろ、さっきから変だ

私の心はきっと…………ずっと昔に壊れちゃっていて

その割れた欠片を探すように愛を求めてた

でも…………これは愛じゃない欠片

私の求めていたものが愛じゃないとしたら

…………私

…………………………わかんない………わかんないけど

この感情を、気持ちを全部思い出さないと

じゃないときっと………………………………

壊れてしまいそうだ