主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
いるまを乗せたすちの車がひとつの家の駐車場で止まった
すち
いるま
先程まで放心状態の様であったいるまがのそのそと動き、車から降り立つ
続いてすちも車を降り、いるまへ手を差し出した
まるでエスコートするかの様に差し出された手に、いるまは一瞬の迷いを見せた後そっと触れた
すち
いるま
扉はカチャリと音を立てて開いた
すち
いるま
普段より自信の無い声が響いた
すち
すちは努めて優しい声音で話しかける
怖がられない様に
不安を感じない様に
自身に堕ちてくれる様にと願って
すち
いるま
すち
すち
いるま
すち
すちがすぐ側のキッチンへと歩いて行く
いるまはすちに言われた通り、ソファーへ座った
すち
そう言いながらソファーの前にあるローテーブルへと水の入った2つのコップを置く
いるま
いるま) すちが折角俺を心配して、話せる機会を作ってくれたんだ。
早く…… 、早く説明しないと………っ!
いるまは何かを言おうと口を開けるがそれに音は乗らず、はくはくと唯動くだけであった
すち
すち
すち
すち) 嗚呼、可哀想に。
そんなになるまで辛いんだ。
あのお喋りないるまちゃんが何も喋れない程弱ってるなんて……
なんて……
付け込みやすい機会なんだろう……!
俺にとってはいるまちゃんと暇ちゃんがどんな理由で喧嘩していようがどうでも良い。
今、いるまちゃんがひとりで
俺に縋るしかないっていう状況さえあればね。
暇ちゃんには感謝しなきゃね。
やっと付け入る隙を作ってくれたんだから。
いるまちゃんと暇ちゃんが付き合いだしてから俺はずっとこの日を待ってたよ。
この機会を有効活用させてもらうね。
暇ちゃん。
すち
すちが心配そうに声を掛ける
いるま
いるま
一度落ち着く為に深く息を吸う
いるま
いるま
すち
すち) 信じられない。
暇ちゃんは確かにいるまちゃんの事が好きだったはすだ。
何で今更浮気なんて… 。
いるま
いるま
いるま
昨日を思い出してしまい、また涙が溢れてくる
いるま) 駄目だ、泣くな。
さっき散々泣いただろうが。
泣くな、泣くなよ…!
いるまがどれだけ耐えようとしても身体は " もう限界だ " と、言う様に涙をとめてはくれない
いるま
いるま
いるまは咄嗟に駆け出そうと立ち上がる
すち
すちはすかさずいるまの腕を取り、引き止めた
すち
すち
すち
すち
いるま
いるま
すち
すち
すちが両手を広げる
いるまはそこへ吸い寄せられる様に縋った
いるま
いるま
いるま
いるま
すちの胸に縋りながら、落ち着くまで泣き続けた
すち
すち
すち
すち) 分かるよ、その気持ち。
痛い程。
俺は浮気された訳じゃ無いけど、失恋はした事あるんだ。
だからいるまちゃんの気持ち分かる気がする。
でも俺は狡い男だからさ。
いるまちゃんが傷付いてる今を好機だと思って、いるまちゃんを暇ちゃんから奪おうとしてる。
我ながら酷い男だと思うよ。
でも今はこれしか方法が無いんだ。
だから……
許してね。
全て終わったら
幸せにしてあげるから。
いるま
すち
すち
すちはいるまを起こさない様にそっと抱え上げ、立ち上がった
そして、ゆっくりと歩き出す
すちの寝室へと__ 。
主
主
主
主
主
コメント
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うわぁ、待ってました! すちいる最高です! 私、主さんの作品大好きなんです! 続きをお待ちしてます!