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もし、あの日のように突然として 日本に帰されてしまったら どうしようか
別れも言えず日本に帰って しまったとしたら 彼女らはどうなるのだろうか
いつか分からないから 異世界生活を楽しんで、別れを ちゃんと告げたい
世界なんかに、帰りたくないけれど
そんなことをぼんやりと 考えながら、目の前の綺麗な星空に 魅せられて一人呟いた
トウマ
アルト
トウマ
アルト
トウマ
アルト
トウマ
俺は真隣をポンポンと叩き アルトに隣に座るよう 誘導した
隣に座るアルトの横顔が 横目に映る
俺は断言出来る 恋に落ちていると 隣に座る彼女に恋をしていると─
トウマ
言ってはいけないはずだった 頭の辞書から抜き取るべき 言葉だった
それなのに、振り向くアルトに俺は 言ってしまった
トウマ
トウマ
俺は、残酷な事を言ってしまった
永遠に傍に居られない かもしれないのに いつ離れてしまうのか分からないのに
赤面するアルトを見ていると その言葉は、もう取り返しのつかないものになっていた
アルト
アルト
何を言えばいいのか分からず ただ言うべきだと思った言葉を 不器用に繋げるアルトに 俺は涙を流してしまった
アルト
俺達は両思いだったんだ
どっちにしろ、最悪な結末 じゃないか
トウマ
アルト
漫画の世界のように ずっとここにいられたら、 アニメの世界のように 死なずにここで日常を 過ごせたら、
そんな確証がほしかった
翌日、俺達はトロイメライへと 向かった
シエル
アルト
シエル
アルト
シエル
トウマ
アルト
トウマ
アルト
三人分の料金を払い、鳥の魔物 『バード・ヴィークル』へ乗った
鳥にはちゃんと名前があるらしく それぞれ オモリ ワイン リップ だそうだ
シエル
トウマ
オモリ
シエル
リップ
ワイン
アルト
ワイン
リップ
アルト
リップ
ワイン
リップ
トウマ
ワイン
トウマ
トウマ
リップ
ワイン
幻想を見てぼやぼやとしてしまえば 最後 目を覚ました時には 仲間は消え、孤独になっている
トロイメライによる後遺症は 凄まじいもので 記憶障害を負う可能性が高い 発症するタイミングや消える範囲は 人による
ワイン
トウマ
シエル
リップ
ワイン
リップ
ワイン
もしかして、ボトルって 回復ポーションのボトルのことか?
致死量のポーションを飲んで自死…? それとも、何個飲んでも意味の無い 回復…?
トウマ
ワイン
リップ
ワイン
ワイン
オモリ
ワイン
リップ
トウマ
トウマ
ワイン
ワイン
まるでその言葉が合図かのように 一斉に烏達は速度を上げ 雲の上まで昇っていく
かなり高く飛んだ時 俺は現実には有り得ないものを 不可能なものをこの目で見た
なんだ…これ
これが…地獄…?
ワイン
リップ
ワイン
ワイン
リップ
リップ
ワイン
オモリ
烏達は一斉に空を舞い上がり 陸へと降りていく
俺達はここの村を探すことにした
不気味だ、荒廃した世界って こんな感じなんだろうか
???
シエル
???
???
肌は灰色で、歯は鋭く その姿はまさにゾンビのようだった
アルト
トウマ
アルト
シエル
トウマ
シエル
シエル
アルト
トウマ
俺は言葉を失った 俺の知らない言語がそこには 記されていた
トウマ
アルト
アルト
アルト
アルト
─終幕を─
アルト
トウマ
トウマ
トウマ
万全な状態で臨む遺跡攻略 ここまで緊張するのは初めてだ
この戦いが終わったら… ルーの所へ帰らないといけないな
トウマ
洞窟を抜けると妙な場所に辿り着いた
漆黒の城が立ちはだかる 威圧感に押し潰されそうだ
トウマ
アルト
城の中へ入るには、まず 深い森を抜けないといけなかった
トウマ
アルト
アルト
シエル
大きな咆哮、間違いない このエリアのボスだ…!!
トウマ
丸太のように太い腕を持つ緑の体 いつしか戦ったアルカディアの 遺跡の主に似ている
一度戦ったようなものだ 以前より強くなった俺に こいつはもう…
トウマ
ヴァアアア!!!
その太い腕を斬り、体勢を崩す
トウマ
アルト
アルトが飛ばす炎を剣に纏わせる
アルト…本当に魔法の扱いが 上手いな
君は本当に…支えてくれるんだね
トウマ
第一ボスを倒す事が出来た…
灰となるそのボスだったものは 先程あった脅威はもうなかった
シエル
トウマ
トウマ
トウマ
三人でハイタッチを交わす
子気味の良い音がこの身の 昂りを増す
今俺は、トロイメライの ボスを一匹殺したのだ
トウマ
その後どれくらい歩いたかは分からないがなんとか森を抜けて 城へと入る事が出来た
トウマ
アルト
シエル
トウマ
俺達は扉を開けて 中へと三人で入る
三人で、いるはずだったんだ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
白いパーカーを着た美形の男 全てを悟る神のような… 神妙な面持をした人間だった
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
トウマ
投げ渡された紺碧の指輪が金色に輝く
アルト
シエル
トウマ
扉を開けたその先に 魔物の首があったので 流れではねた
アルト
シエル
トウマ
トウマ
シエル
アルト
リップ
ワイン
トウマ
ワイン
シエル
トウマ
トウマ
ルー
トウマ
ポロポロと涙を零すルーと俺 思わず抱き着いた
ルーガルー
トウマ
アルト
ルーガルー
椅子がふたつあったのって そういうことか!!
ルー
その夜、とてつもなく楽しい 夜を過ごせたんだ
夢なんじゃないかって思うくらい いや、夢なんだ
あと少しで覚めてしまう かけがえのない夢なんだ
23:55 森の中で俺は満月を見た
紺碧の空に輝く金色の満月 俺は、2つの指輪を取り出した
一つは俺、もう一つは…
アルト
アルト
トウマ
アルト
トウマ
アルト
トウマ
アルト
紅色の指輪をアルトに見せる 目を輝かせるその姿は まさに乙女だ
アルト
涙を目に留めている。 俺は、アルトの薬指に 指輪をはめた
トウマ
アルト
アルトの細い女性らしい指が 俺の手と重なる そのまま、薬指に紺碧の指輪が 通る一歩前で言った
トウマ
一緒なんて、不可能なのに
母
父
トウマ
トウマ
母
父
トウマ
両親は、涙を流している
俺も、涙を流している