※下ネタ。
ギャグ
今日は7月21日だと思ってください。
「今日は何の日だと思う?」
リビングにてくつろいでいると、唐突にCrossからそんな問いかけが投げられた。
マグカップを口につけようとした手が止まる。
最初は質問の答えを探そうとするものの、何か裏があるのではないかとCrossを睨む。
「ただ聞いてみただけだ。」
少し怪しいものの、今回ばかりは信じてやってもいいだろう見逃してやる。
「今日…」
今日は7月21日。
この日といえば……。
「船員保険失業保険金不正受給防止啓発強化月間の最中。」
「マイナーなとこをせめるな。」
綺麗な突っ込みだ。
「今日と言えばこれと言った出来事しか思い当たらない。」
「もっといいのあるだろうが頭硬いにも程があるぞあんた。」
遠回しの悪口混じりの突っ込みを入れられ、Crossの頭目掛けて肘打ちをかます。
ズゴンという凄まじい音をたててCrossは椅子ごとぶっ倒れた。
「いや何で!?」
「発言を考えろ。」
何かぶつぶつと呟きながらCrossは椅子をたてなおす。
何か文句があるかと視線を合わせれば、それは止んだ。
「今日は7月21日だろ?」
改めて日付けを確認させられる。
Crossの言う通り、今日は7月21日木曜日だ。
特別な行事でも何の日でもない、特に普通な日だとは思うが……。
「0721の日だよ。」
「……。」
「ひらがなで言った方がいいか?お」
「死ねカス。」
放送禁止用語を平気でぶっぱなそうとする29歳絶賛アラサーに向けて今度はアッパーをくらわした。
「痛いな……。顎外れるだろやめろ。」
そのまま顎外れてしまえ。
「……何を言い出すかと思ったら、くだらない。まさかしろとでも言わないよな?」
「うん。してくれ。」
満面の笑みで頷く29歳絶賛アラサー(皆から牛いじりされて涙目になるクソダサ低スペック男)に脳天杭打ちをぶちかます。
なんかやばい音したけどきっときのせい。
「骨おれるかと思った……。」
「まだ折れてなかったか、そのまま動くなよ。おってやる。」
「待て待て待て待て、そんなに!?ねえそんなになのか!?ねえ!?」
この野郎がただ単に阿呆なのかわざとなのかは知らないが……、理由など言わなくても大半の奴はわかるだろう。
こいつにそんな痴態を見せつけるくらいだったらもってる林檎を全部潰して死ぬほうがまだマシだ。
「俺が悪かったって……。」
Crossは手を合わせて謝る。
こんな軽い謝罪じゃ許される事ではないが、Crossだから許してやろうと思う。
「1人じゃ可哀想だから2人でやろう?」
「殺す。」
「え!?」
何がえ!?なんだよ前言撤回してやる腹立つ顔しやがって!つか現実は8月2日なのにこのこいつのくだらない欲望の為に何でタイムスリップさせたんだよ!ナレーションもやってられねえわ!
という怒りを込めてキッツイ水責め拷問でもしてやろうとCrossの首を掴む。
「うわあああああ!やめろ!お前絶対殺すとか言っておきながら拷問とかやる気だろ!」
「当たり前だろハゲ。」
「いやそれお前もだろ。」
「ほう。では鉄の処女も追加してやろう。」
「ごめんなさい俺が悪かったです。」
本当にする気はさらさらないのだが、怖がって謝罪するCrossのザマが実に愉快だ。
でもさっきの発言は許してないからな。ほんとに。
「……というかお前はそんなもんを見て嬉しいのか。楽しくないだろ。」
あんな発言をしたCrossに、理由を問う。
こいつとしては俺の事を攻めたい一心だと思うし、俺の痴態を見ていたってつまらないだけだろう。
それならまだ俺がリードしてやった方がいいと思う。まあやらないが。
「馬鹿。俺の俺が逆に踊るエジソンになるわ。」
「……」
怒りを通り越してちょっとそろそろ本格的なにドン引きしてきた。
「俺を求めて1人で███して█れるnightmareが最高に██いんだよ。わかるか?もう一度言うぞ██いんだよ!!」
もうこいつ闇auから離脱させようかな。
「だからnightmare。」
肩をがしりと掴まれる。
純白の瞳に強く見つめられ、捕えられる。
「してくれ。」
心も純白のようにピュアでいてほしかったのだが、こいつにそんな願いを抱いても無駄だろう。
1度こいつの心は汚れてしまったのだから、もうこれは取り返しのつかないことなのだ……。
その下心に巻き込まれる俺、可哀想。
「……。」
目線をそっと横にずらす。
それは否定の代わりだ。
「お願い。まじで。先っちょだけ、先っちょだけだから、な??」
「もぎとるぞ。」
「ごめんなさい。」
というか、こいつはそんなに必死になるほど見たいのか……??
欲というものがあまりないせいか、俺にはその心が全くもってわからない。
ちらりとCrossに視線を戻すと、めちゃくちゃ落ち込んでいた。
……ここまでくると一周まわって同情心がでてくる。
「……ちっ…。」
舌を鳴らして小さくため息をつく。
「……そんなにして欲しいならやってやるよ。」
「本当か!?」
「……嗚呼。」
手招きで合図をしてやると、Crossは子犬のように目を輝かせて此方に来る。
ふっと息を吐き、目を瞑る。
神経を研ぎ澄まし、目を見開く。
次の瞬間、Crossを片手で鷲掴みにし、肘打ちからのアッパーからの脳天杭打ち決める!!
「…え?」
混乱しすぎて痛みを忘れているのか、Crossは俺を見つめている。
「主語がなかったものでな、てっきり俺はこれをして欲しかったのだと思っていたのだが。違うか?」
わざとらしく挑発してやると、段々意味を理解してきたのか、Crossの顔はどんどん変化していく。
「くそおおおおこのたア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「あっ気をつけろよ?下手に動こうとしたら死ぬからな。」
「ヴッ。」
「もう手遅れか。」
ふっと鼻で笑って背を向ける。
……まあ、アイツが喜ぶならしてやらんこともないな。
するわけないがな。
なんて事を頭の片隅に思いながら、部屋を後にした。
𝑄𝑢𝑒𝑠𝑡𝑖𝑜𝑛 .
結局したんですか?
🐙「なわけないだろ。」
❌「え?でもお前数日後に……。」
🐙「してない。」
❌「俺の上着で……。」
🐙「おい。」
❌「俺の上着着てから……。」
🐙「牧場放り込むぞ。」
❌「ごめんなさい。」
してないらしい。多分。
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