人 気 ア イ ド ル ア ホ な 件

水が溜まっていく

もう膝下まできた

もう、水は腰まできた

冷水だからか指が悴んできた。

支えてやる。

乗れ

大好きだ

愛してる

離したくない

︎︎ ︎︎ ︎︎"玲奈"

きみの声が愛おしい

きみの声が聞きたい

君と生涯をすごしたい

凛、きみの性格も顔も全て私は愛おしく感じる。

嫉妬だってなんだって

そう思う度水は増え、思い出が走馬灯のようにリピートされる

もう、水は肩まできた

薔薇がぷかぷかと浮かびまた、水の中をヒラヒラと泳いでいる

私は静かに目を閉じた。

僕は君がもう、僕を愛してくれないとは知っている

でも、まだ諦めたくなかった

まだ、玲奈が僕を愛してくれてると信じたかったから

けど、玲奈が愛しているのはあの男

僕があの男のようになれたら

玲奈は僕を愛してくれたのかな

"桐生~！！！"

""大好きだよっ！""

愛してる

も~おっちょこちょいだなっ笑

きみの、笑った声が聞きたい

僕に対しての笑顔をみたい

もう一度君とすごしたい

君と生涯を

こう思う度玲奈の声はリピートしていく

このまま思い出も自分自身も水に溶けてしまったら

どれだけ楽なことだろうか

水の中に浮かぶ薔薇を見つめ僕は

目を閉じる。

1時間前

俺は走った

走って走って

下へと向かった

どれだけ深いのだろうか

いや、玲奈に会えない時間が長く感じたのかもしれない

走って走って走って

君の声が聞きたくて

君が無事であることを祈りたくて

君を助けたくて

どうか……どうか

玲奈が無事であってください

もう水は天井にまで達しそうになった

元々ここは天井が低く、窓はなく、

おそらく水が溢れかえりそうになった時破裂する仕組みになるだろう

その時はもう身も粉になってしまう。

ｶﾞﾝｯｶﾞﾝｯ

せーの……

ﾊﾞｺｰﾝ

だれか私をみつけだして