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1 - 俺屋上で靴を脱ぎかけた時に

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2023年09月16日

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俺屋上で靴を脱ぎかけた時に

三つ編みの先客に声をかけてしまった

ねぇ、やめなよ

口をついて出ただけ

ホントはどうでもよかった

先を越されるのが、

なんとなく癪だった

三つ編みの子は、語る

どっかで聞いたよなこと

黒名

運命の人だった、どうしても愛されたかった

ふざけんな!そんなことくらいで

俺の先を越そうだなんて!

欲しいものが手に入らないなんて

奪われたことすらないくせに!

黒名

話したら楽になった

三つ編みの子は消えてった

さぁ、今日こそはと靴を 脱ぎかけたらそこに

背の低い男の子

また声をかけてしまった

背の低い子は、語る。クラスでの孤独を

蜂楽

無視されて、奪われて、居場所がないんだ

ふざけんな!そんなことくらいで

俺の先を越そうだなんて!

それでも、うちでは愛されて

あたたかいごはんもあるんでしょ?

蜂楽

お腹空いたな

と泣いて

背の低い子は、消えてった

そうやって、何人かに声をかけて 追い返して

俺自身の痛みは誰にも言えないまま

初めて見つけたんだ

似たよな悩みの子

何人目かにあったんだ

水色のカーディガンの子

氷織

うちに帰るたびに、増え続ける痣を消し去ってしまうためここに来たの

口をついて出ただけ

ホントはどうでもよかった

思ってもいないこと

でも、声をかけてしまった

ねぇ、やめてよ

ああ、どうしようこの子は止められないわたしには止める資格が無い

それでも、ここからは消えてよ

君を見ていると苦しいんだ

氷織

じゃあ今日はやめておくよ

って、目を伏せたまま消えてった

今日こそは誰もいない

俺一人だけ

誰にも邪魔されない

邪魔してはくれない

水色のカーディガンは脱いで

三つ編みをほどいて

背の低い俺は

今から飛びます

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