sho
ッい゛た゛いッッ
sho
ッやめてッッ
閉ざされた鉄扉の先で、少年の嘆く声が聞こえた
sho
やめッて(泣)
足元に落ちていた器具が、コツンと乾いた音を立てた。
拘束台に縛られた小柄な身
目には黒い視線制御器、口元には呼吸制限具
無機質な白衣の男たちが、その姿を冷淡に見下ろす。
観察ログ:No.136“sho”、本日分。第13回・強欲系統暴走実験、開始します
sho
(いた..いッッ..)
sho
(あぁ..もう..)
sho
(..)
sho
(死にたいな..)
強欲が起きないなら、次は嫉妬を刺激してみよう。あの少女の映像を使え
ビービビッ
sho
ッ!
映し出されたのは見知らぬ少女が家族と幸せそうにしているような映像
shoには妬ましくて仕方がなかった
sho
ッ
sho
いやっ!なんでっ..
sho
(なんで..俺はッッ)
sho
(こんな...こんなッッッ!!)
sho
アガッグァァッッ!!
sho
ァ゛あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッッ、!!!
……感情反応、増加。瞳孔拡大、発汗反応あり
いい子だな、sho。君は人類に希望をもたらす器だ。恐れることはない
誰もshoに“痛み”を与えているとは思っていなかった。 彼の“感情”が、研究対象だったから。
その日も、shoはただ黙って泣いた。
---数年後
研究員???
なぁ、sho
研究員???
お前、神を信じるか?
sho
..
唯一、shoに名で話しかけてきたのは、若い技師の男だった。
分厚いゴーグルを額にずらし、機械油の匂いを漂わせながら、彼は笑って言う。
sho
……信じない。神がいるなら、俺、こんなとこいない
研究員???
そうか。だよな。でもさ、神様ってのはきっと“選んだ”んだよ。お前を。罪を背負える器としてさ
sho
選ばれたくなんて、なかった..
研究員???
……それでも選ばれてしまったら、どうする?
shoは黙ってしまった。
その日、その会話を浮き消すように
研究所は爆発した。