一匹狼

朝から教室がうるさい

だって今日から新学期だから

別れと出会いが重なる季節

なんて言い方をしたら 少しは綺麗に聞こえるだろう

周りの楽しそうな声に

細く小さなため息を混ぜる

クラスメイトが数名来て

一 緒 だ と い い ね

なんて在り来りなことを口にする

そして俺はというと

そ う だ ね ( 笑 )

なんて思ってもいないことを口にする

教室のドアが空くと さっきまでの賑やかさが一瞬だけ消える

そして紙を見てまた騒ぎ始める

真ん中辺りに自分の名前があった

メンバーを見てまたため息がこぼれる

絶対馴染めない

移動して早々本を開く

が、全く集中できない

うるさすぎる

イヤホン持ってくるんだった

そして担任は去年と同じ

最悪だ

クラスが変わったにも関わらず

もうグループができていた

俺はどこにも入っていない

大勢は嫌いだし 別に独りで構わない

異性と話したらすぐに目をつけられるであろうこのクラス

同性が苦手な俺にはとても辛かった

学校には今年も来られそうにない

もちろん努力はするけれど

休み時間

部活友達の元へ行って

絵を描いているところを見せてもらった

初めはすごいな…なんて思って見ていた

でも色々なことを考えているうちに 考えはどんどんマイナスになっていって

最終的には

俺 っ て マ ジ で 取 り 柄 な い な

なんて所にまでたどり着く

最悪だ

なんですぐこうなるんだろう

掃除分担を決めるにも

委員会を決めるにも

教科当番を決めるにも

みんなはきっと

仲良しグループで活動したい

そう言うだろう

どのグループにも属していない俺は

全て独りでさっさと決めてしまった

掃除分担は人気のないトイレ掃除

委員会には入らない

教科当番は他のメンバーが決める前に国語を選択する

そうすればきっとみんな困らない

仲良しグループに割って入るのは

向こうも嫌だし

こっちも嫌だ

だったら全部先に決めて

選択肢を残してあげた方がいいと思った

掃除は仲良しグループから外れてしまった子と一緒になった

教科当番も入るタイミングを逃しかけた子と一緒

これできっと絡むことも減るし

文句を言われる回数も減るだろう

そう考えたら少し楽だった

でも

これからのことを考えると

やっぱり憂鬱でたまらない

だけど

怒られるのも面倒くさいから

少しだけ我慢してみようと思う

一匹狼

なんてかっこつけた捉え方をして