数日後
クラウン城へと戻ってきた クラウンは各自の用事を済ませながら 数日を過ごし…
ついに満月の日がやって来た
〈夜〉
ーケイトの部屋ー
ケイト
うああああああ!!
パリンッ
ケイト
あああああああああ!!
ヴィクトル
落ち着くんだ…ケイト
ケイト
はぁ…はぁ…。
くるな!くるな!
くるな!くるな!
ケイト
もう…これ以上は…やめて!
ケイト
私が何をしたっていうんだよ!
ヴィクトル
大丈夫
ヴィクトル
ここにキミを傷つけるような人はいないよ
ヴィクトルがケイトを 落ち着かせようとするが…
ケイト
嘘だ嘘だ!
ケイト
また、あの痛いのするんでしょう?
リアム
ケイトちゃん…
クラウンが見守る中、 ヴィクトルは声かけを止めない
ヴィクトル
そんなことはしない
ヴィクトル
僕は何もキミを傷つけるものは持っていないよ
ヴィクトル
ほら…両手に何も持っていないだろう?
コツ…コツ…
ケイト
近寄るな!
ケイト
それ以上、近寄るとお前の喉を噛みちぎって やる!
ヴィクトル
ケイト…
ケイト
うっ…うっ…うっ・・・
ケイト
なんで・・・なんで・・・
ケイト
痛くて痛くてずっと助けを求めてるのに・・・
ケイト
どうして誰も、私のことを助けてくれないの?
ヴィクトル
僕がいる
ヴィクトル
どんなことがあっても僕はキミを傷つけないし、キミを裏切ったりもしない
ケイト
うっ…うっ…
ヴィクトル
…ケイト
その時、誰かが部屋に入ってきた
ロジャー
嬢ちゃん…っ!
ヴィクトル
ロジャー?
ヴィクトル
何しに来たんだい?
ヴィクトル
今はケイトがかなり狂暴だ
ヴィクトル
あまり近寄らない方がいい
ケイト
こっちに来るな!
ケイト
私に近寄るな!
ロジャー
安心しろ、嬢ちゃん
ロジャー
これを届けに来たんだ
良く見ると、ロジャーの腕に 小瓶が抱えられている
ヴィクトル
その小瓶は?
ロジャー
〈心が不安定になる〉と聞いて症状を抑える薬を調合してたんだ
ロジャー
少しは症状がおさまるはずだ
ヴィクトル
ありがとう、ロジャー
ロジャー
俺はクラウンの医者だからな
ヴィクトル
ケイト
コツ…コツ…
ケイト
近寄るな!
ヴィクトル
すまない…
ヴィクトル
ロジャー、少しの間ケイトを押さえてくれ
ロジャー
あぁ
ロジャー
悪い…嬢ちゃん…っ
ガシッ
ケイト
離せっ!
ケイト
お前らなんて…お前らなんて…!!
ケイト
殺してやるっ!!!
ロジャー
…っ
ヴィクトル
…っ
叫ぶケイトの口に小瓶を押し付けて 薬を飲ませる
すると少しだけ、ケイトが落ち着いた
ケイト
お前らなんて…
ケイト
殺してやるんだ…
そう言ってケイトは眠りについた
一筋の涙を流して_。







