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優心
結婚を前提に交際していた彼から 一週間ぶりにきたメッセージには、 別れを意図する内容が綴られていた。
生まれた時から決まっていること というのはいくつかあると思う。
例えば才能。 例えば得意なこと苦手なこと。 好きになるタイプ嫌いになるタイプ。 どうしても受け付けないもの、 どうしても好きになってしまうもの。
私はおそらく、 生まれた時から 誰かの一番になれないように 決まっていたのだと思う。
私には兄がいる。
両親から一心に 愛情を受けて育っていた。 両方の祖父母にとって初孫の彼は その愛情も独り占めだった。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。 性格もよく、幼い頃から 色んな人に好かれていた。
ずっと一人っ子だった兄に、 想定外でこの世に生を受けたのが私。
容姿も成績も運動神経も、 兄と較べるとなにもかも劣る。 それが私。 性格も愛想もよくない、それが私。
どんなにがんばっても 一番にはなれなかった。
家庭では兄に負け、学校では誰かしら私の前に立ちはだかる人間がいた。
そして、それは恋愛でも同じだった。
愛してほしい人の一番には いつもなれなかった。
環奈
世の中には相思相愛の人間や自分の 一番欲しいものをいとも簡単に手に入れている人間がいるにも関わらず。
環奈
いつしか私は 一番になることをあきらめた。
【続きはハート100で書きます】