一ノ瀬雪
うぁぁぁぁ

一ノ瀬雪
氷の呼吸壱ノ型氷律

一ノ瀬雪
!!

童磨
いやぁ危ない危ない

一ノ瀬雪
ダン

童磨
ズズズ

童磨
吸収してる最中に斬りかからないでおくれよ

一ノ瀬雪
フーッフーッ

童磨
おや?挑発に乗らないねぇ

童磨
この子がさっき指文字やっていたからかな?

童磨
俺の能力とか教えたかい?

童磨
一瞬だったのにすごいなぁ

童磨
無駄なのに頑張り屋さんだね

童磨
いやぁそれにしても今日はいい夜だなぁ

童磨
次から次に上等なご馳走がやってくる

好きな人や大切な人は漠然と明日も明後日も生きている気がする
それはただの願望でしかなくて絶対だよと約束されたものではないのに
童磨
あれぇ?

童磨
猗窩座殿もしかして死んじゃった?

童磨
一瞬変な気配になったけど気のせいだよね

童磨
猗窩座殿が何が別の生き物になるような…

童磨
死んじゃったから分からないや
アハハ

童磨
えーとなんだっけ?

童磨
あっそうだそうだ君の名前を聞いたんだよね

一ノ瀬雪
ハァハァハァ

一ノ瀬雪
私は氷柱一ノ瀬雪
橘華の大親友だ

童磨
そうなんだ

童磨
若い女の子はだいたい美味しいからいいよなんでも!

童磨
女の子と言えば…そうそう猗窩座殿が負けたのも仕方ないよね

童磨
猗窩座殿って絶対女を喰わなかったからさぁ

童磨
俺言ったんだよ!女は腹の中で赤ん坊を育てられるぐらいの栄養を持っているんだから

童磨
女を沢山食べた方が強くなれるって

童磨
だけど猗窩座殿って女を喰わない上に殺さないんだよ!

童磨
それを結局あの方も許したしずるいよねぇ

童磨
猗窩座殿は行かされた特別扱いだよ

童磨
でも……死んでしまうなんて……

童磨
悲しい1番の親友だったのに……(泣

童磨
うっ
ううっ

一ノ瀬雪
もういいから

一ノ瀬雪
もう嘘ばっかりつかなくていいから

童磨
何?

一ノ瀬雪
貴方の口から出る言葉は全部でまかせってわかってる

一ノ瀬雪
悲しくなんてないんでしょ?
少しも

一ノ瀬雪
貴方の顔色全然変わってない
“1番の親友”が死んだのに

童磨
……

一ノ瀬雪
顔から血の気が引いてないし逆に怒りで顔が紅潮するわけでもない

童磨
それは俺が鬼だからだよ

一ノ瀬雪
鬼は常に瞳は潤い続けるから瞬きしないけど

一ノ瀬雪
人間と同じく血は巡ってるから顔色は変化する

一ノ瀬雪
貴方のことを気の毒だと死に際に雪のお姉さんが言っていた

一ノ瀬雪
貴方何も感じないんでしょ?

一ノ瀬雪
この世に生まれてきた人達が

一ノ瀬雪
当たり前に感じている喜び悲しみや怒り体が震えるような感動を

一ノ瀬雪
貴方は理解できないんでしょ?

一ノ瀬雪
でも貴方は頭が良かったから嘘をついて取り繕った

一ノ瀬雪
自分の心に感覚がないってバレないように楽しんだり悲しんだり

一ノ瀬雪
貴方には嬉しいことも楽しいことも

一ノ瀬雪
苦しいことも辛いことも本当は空っぽで何にも無いのに

一ノ瀬雪
滑稽だね馬鹿みたいふふふ

一ノ瀬雪
貴方なんのために生まれてきたの?

童磨
…今まで随分の数の女の子とお喋りしてきたけど

童磨
ギチギチ

童磨
君みたいな意地の悪い子初めてだよ

童磨
バチン

童磨
なんでそんな酷いこと言うのかな?

一ノ瀬雪
わからないの?貴方のこと嫌いだから

一ノ瀬雪
一刻も早く頸を斬り落として地獄へ送りたいから

一ノ瀬雪
さっきの言葉一つだけ訂正しようかな

一ノ瀬雪
貴方って頭良くないみたい

一ノ瀬雪
みっともないからさっさと死んだ方がいいよ

一ノ瀬雪
貴方が生きてることにはなんの意味もないからさ

童磨
ヒュン

一ノ瀬雪
バッ

一ノ瀬雪
ズバッ

童磨
バッ

一ノ瀬雪
タンタン

童磨
ドロッ

童磨
(反応速度を上げてきた)

童磨
(俺の動きに戦いに適応し始めている)

童磨
(扇から舞い散らかす“粉凍り”を吸わない)

童磨
(あの指文字が“吸うな”だったとしてもぎりぎりの戦闘をしていて吸いこないのは至難の技)

童磨
(この娘)

一ノ瀬雪
チャッチャッ

童磨
(ややもすると今喰った同じ柱の娘よりも実力がある)

一ノ瀬雪
スゥゥゥゥ

一ノ瀬雪
(鳥肌が止まらない
指先まで力を込めていたければすぐに体が震え出す)

一ノ瀬雪
(コイツに比べたら今まで倒してきた鬼は赤子だ)

一ノ瀬雪
(この激しい怒りのおかげで立っていられる
体が燃えるみたいに熱い)

一ノ瀬雪
(喉の奥がぐつぐつ煮え滾る
絶叫したいくらい不快で堪らない)

一ノ瀬雪
(暴れなきゃ体がばらばらになってしまいそう
生まれて初めての感覚に目眩がする)

一ノ瀬雪
(怒りを通り越してこれは憎悪だ
憎い よくも殺したな私の大親友を!!)

童磨
七…八…九連撃!いいねぇ綺麗だねぇじゃあ俺も!

童磨
(なるほど目だなこの娘は目が特殊なんだねぇ)

童磨
(今の連撃ギリギリで受け流して凌いだ)

童磨
(俺の肩、視線、つま先、肘、膝、注意深く見ている僅かな傾きで次の動作を予測)

童磨
(小賢しいうえに並の剣士ができることじゃないよ)

童磨
(とりあえず目を潰しとこ)

一ノ瀬雪
フゥゥゥゥ

童磨
凄く鍛えられた体幹だね

童磨
バネみたい

一ノ瀬雪
(危ない!!目を閉じなければ眼球が凍ってた)

童磨
待て待て

童磨
次行くよ

一ノ瀬雪
(何という広範囲の技近づけない…)

一ノ瀬雪
!!

一ノ瀬雪
うっ

童磨
おーいどんどん離れていってるよ

童磨
近づかなきゃ頸斬れないでしょう

一ノ瀬雪
(消えた…)

大量の刃?それとも凍る血鬼術?
よく見てよく見て判断して
見極めて正確に最小限の所を被害が最小限の所を見極め…
宮侑
どぉありゃアアアア!天空よりいでし侑様のお通りじゃあアアア!

一ノ瀬雪
!?

童磨
!?

宮侑
ドンピシャやな
鴉の道案内は

宮侑
んんー?

宮侑
んんんー?

宮侑
弐!!

宮侑
お前が上弦の弐やな
バレとんで!!
お前が2番目やってことを俺は知っとんで

宮侑
ハハハーア!!
お前を倒してもうたら俺は柱!

童磨
別に上弦の弐だってことは隠してないけど…面白い子が来たなぁ

宮侑
俺が柱になってもうたら呼び名は狐柱やな?どっちがええと思います?なぁ…

宮侑
ぬおっ!

宮侑
雪さん…ボロボロやないですか?何しとったんですか?

宮侑
怪我してたら雪さんあれやで

宮侑
華さんが怒るで
すげぇ怒るからな華さん!!

一ノ瀬雪
…

宮侑
死んだんですか?華さん

童磨
まさか!死んでないよ
彼女は俺の中で永遠に生き続けている

童磨
俺が喰った人は皆そうだよ救われるもう苦しくない辛くもない

童磨
俺の体の1部になって幸せだよ
