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LINE1236

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LINE1236

1 - あ

2023年10月16日

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キンヤ

ミユ。俺だよ、分かるか?

キンヤ

分かるだろう?俺に会いたかったよな?

キンヤ

俺はお前と会いたいよ。

キンヤ

なあ、返事してくれよ。

キンヤ

まだLINEつながってるんだろ?

ミユ

キンヤ…藪から棒になんなの?

ミユ

私たち、とっくに別れたよね。

ミユ

アナタの浮気と暴力が原因で別れたのに

ミユ

慰謝料も払ってくれなかったじゃない。

ミユ

それなのに、今更なんなの。

キンヤ

あの時は悪かったよ。

キンヤ

あんな女のカラダにのめり込んだ俺はバカだった。

キンヤ

ほんと、お前の言う通りロクでもない女だったよ…。

ミユ

あ、そう。

ミユ

そんなの誰が見ても明らかだったのに。

ミユ

私の言うコトはもちろん、ご両親が説得しても全然聞かなかったのは誰?

ミユ

私はあの時、離婚したくないっていったのに

ミユ

さんざんヒドイ事をして、強引に離婚したよね。

キンヤ

俺がどうかしてたんだよ。

キンヤ

やっぱりお前が一番イイ女だってようやく気付いたんだ。

ミユ

ほんと、今さらよね。

ミユ

私、再婚したんだよ。

キンヤ

はあ?なんだって?

キンヤ

なんで再婚なんてするんだよ!

キンヤ

お前は、ずっと俺のモノだろ!

ミユ

そんなわけないでしょ。

ミユ

むしろ、もう忘れたいくらいの黒歴史なのよ。

ミユ

つまり、記憶に残したくないくらいの結婚生活だったわ!

キンヤ

またまたwホントは、強がっているだけだろう?

キンヤ

再婚なんて嘘までついて。

キンヤ

俺、知ってるんだぞ。

ミユ

え?何を?

キンヤ

お前、1人暮らししているだろ?

キンヤ

M市の、シングル向けマンスリーマンションだろう。

ミユ

ちょっと、なんでそんなコトを知ってるの?

ミユ

知り合いにはほとんど言ってなかったのに…。

キンヤ

実は、調べたんだよ。

キンヤ

お前がどこに住んでいるのか、

キンヤ

今どんな仕事をしているのかもな!

ミユ

な、なんでそんな真似をするの?

ミユ

私のコトなんてどうでもイイって言ったくせに。

キンヤ

だからさ、やり直したいんだよ。

キンヤ

やっぱりお前が一番好きなんだ。

キンヤ

お前も、俺の事をあんなに愛してくれていただろう?

キンヤ

今なら俺も、フリーだからさ。

キンヤ

やり直すなら今しかないと思うんだ。

ミユ

やめて、気持ち悪い。

キンヤ

気持ち悪い?

キンヤ

なに言ってんだよ!俺が復縁してやってもいいって言ってんのに。

キンヤ

「私、あなたと別れたくないってポロポロ泣いてたのは」

キンヤ

どこのドイツだっけ?

ミユ

そんなの、もう2年も前のことでしょう。

ミユ

とにかく、私はもうアナタの事なんてなんとも思ってないの!

ミユ

お願いだから、ほっといて。

キンヤ

いいや、放っておけないね。

キンヤ

元妻が1人で寂しく暮らしているんだぜ?

キンヤ

何とかしてやりたいって思うのが男ってものだろう?

ミユ

なにが男よ…。

ミユ

アンタみたいなクズ、存在しているだけでもメイワクだわ。

キンヤ

はあ?言ってくれるじゃないか。

キンヤ

俺にそんなコトを言って、後悔しても知らないぞ?

ミユ

しないわよ、後悔なんて!

ミユ

もう私に関わらないで!

キンヤ

いいや。俺は諦めない。

キンヤ

また連絡するよ、ミユ♡

ミユ

き、キモ!

~その夜~

ミユ

あなた、ちょっとやっかいな人から連絡があったの。

ケンジ

どうした。ミユ。

ケンジ

俺がいない間に、何かあったのか。

ミユ

実は元夫からLINEがあって…。

ミユ

「俺とやり直そうって言い出してね。」

ケンジ

え、なんだって?

ケンジ

もう2年も前に離婚したんだよね。

ケンジ

しかも浮気相手と再婚したんじゃなかったっけ?

ミユ

そうよ。

ミユ

でも、ほんの1年も持たずに離婚しちゃったみたい。

ミユ

まあ、あんなワガママな性格だからね…。

ミユ

さすがの浮気相手も、ついていけなかったんじゃない?

ケンジ

それで君に接触してきたの?

ケンジ

ちょっと都合が良すぎないか。

ミユ

私もそう思うわ。

ミユ

でも、住所と仕事を知られているみたいで、怖いの。

ミユ

私がマンスリーマンションに1人で住んでいることも知っていたわ。

ケンジ

それはマズイな。

ケンジ

このまま1人で住んでいるのは危険だ。

ケンジ

なんとか手を打たないと…。

ミユ

でもどうやって?

ミユ

あなた、すぐ帰ってくるのは難しいでしょう。

ミユ

海外赴任は1年の予定だから、帰国出来るのはあと半年後よね。

ケンジ

そうだけど、そこは何とかする。

ケンジ

今、仕事しているクライアントの件が片付いたら

ケンジ

早急に帰国するつもりだよ。

ミユ

え、大丈夫なの?

ミユ

私、あなたの仕事の足を引っ張っちゃってない?

ケンジ

大丈夫だよ、なんとかなるから。

ミユ

ほんとうに?

ケンジ

ああ、本当だよ。

ケンジ

だけどまずは、安全確保だな。

ケンジ

俺にいい考えがあるんだ。

ミユ

え?どういう事をするの?

ケンジ

まあ、まかせておいて。

ケンジ

色々と調整が出来たら、また準備するよ。

ミユ

ありがとう。

ミユ

ケンジにそう言ってもらえると、すごく安心するわ。

ケンジ

そう言ってもらえると、俺も嬉しいよ。

ケンジ

けどしばらくは、出かける時も気をつけて。

ケンジ

帰りが遅くなる時は、出来るだけタクシーを使ってな。

ミユ

うん、わかった。

ケンジ

それじゃ、オヤスミ。

ミユ

おやすみなさい。

~翌日~

キンヤ

今日はもう家にお帰りかな?ミユ。

キンヤ

独り暮らしで寂しい生活だな?

キンヤ

俺がなぐさめてやろうか?

ミユ

イヤだ…やめてよ、気持ち悪い。

ミユ

もう連絡してこないでって言ったはずでしょう。

ミユ

日本語が読めないの?

キンヤ

お前が強がっているのがミエミエだからだよ。

キンヤ

俺と別れてから、ずっと独り身なんだろ?

キンヤ

そりゃ、30過ぎのババアを相手にする男なんて

キンヤ

せいぜい熟女好きの既婚者くらいしかいないもんなぁ。

ミユ

なんて言いかたをするの…。

ミユ

相変わらず口が悪いわね。

ミユ

そんなんだから、新しい奥さんにも逃げられたんでしょ。

キンヤ

あ、俺が離婚したことを知ってるのか。

キンヤ

なんだかんだ言って、お前もまだ俺の事を気にしてるんじゃん。

ミユ

ただの怖いモノ見たさよ!

ミユ

誰がアナタなんかに興味あるもんですか。

キンヤ

いいや、絶対に俺に気がある!

キンヤ

俺は、お前を取り戻すまであきらめないからな。

ミユ

なんでそうなるかな。

ミユ

あなた、気がどうかしちゃったの?

キンヤ

俺は正気だよ。

キンヤ

もうミユ以外には考えられないくらい、愛してるんだ。

ミユ

だから、キモイからやめてって言ってんの。

ミユ

人の事をババアといったり愛してると言ったり…。

ミユ

やっぱりおかしいわよ、キンヤ。

キンヤ

なかなか信じてくれないな。

キンヤ

俺は悲しいよ。

キンヤ

これだけお前の事を愛してるのに、伝わらない…。

ミユ

いやいや、ゾッとするからやめて。

ミユ

なにこのロミオメール的なメッセージ。

キンヤ

俺は、ミユの信頼をとりもどすまで頑張るよ。

ミユ

え?

ミユ

頑張らなくていいんだけど。

ミユ

出来れば可及的速やかに、いなくなってほしい。

キンヤ

俺は今度こそ必ず、ミユを幸せにしてみせる!

ミユ

いや必要無いって。最初に言ったけど私結婚してるから…。

キンヤ

次に会った時は、もう絶対に離さないよ!

ミユ

って、全然私のメッセージ読んでないでしょ!

ミユ

もうホラーだよ。

キンヤ

ちかいうちに迎えに行くよ!

キンヤ

それまで、待っててくれ。

キンヤ

俺の妻はお前だけだから!

~1週間後~

キンヤ

ミユ、待たせたな。

ミユ

待ってないよ。

キンヤ

やっと準備が出来たよ。

ミユ

相変わらず、人のメッセージはガン無視だね。

ミユ

準備って何の準備よ。

ミユ

まあ、こんなメッセージ、私も無視してもいいんだけど。

ミユ

ちょっと面白いから読んであげるわ。

キンヤ

お前を迎える準備だよ。

ミユ

はい?

ミユ

お迎えなんて頼んでないけど…?

キンヤ

もう強がるなって!

キンヤ

本当はうれしいんだろう?

キンヤ

俺の気持ちがお前に戻って来てさ。

キンヤ

子犬みたいに喜んでるミユの姿が目に浮かぶわw

ミユ

アッそう…。

ミユ

アナタ、そんなに想像力たくましかったっけ?

キンヤ

子犬といえば思い出したよ。

ミユ

何を?

キンヤ

お前、飼ってた犬を連れて、俺と別れたよな。

ミユ

そうだけど?

キンヤ

犬は元気?

ミユ

イギーよ。犬の名前も忘れたの?

キンヤ

ああ、そうそう。イギーだった。

キンヤ

なんかいつも俺に歯を剥いて唸ってくるバカ犬。

ミユ

イギーはバカ犬じゃないわよ!

ミユ

アナタがイジワルするから、嫌ってただけ!

ミユ

ほんと、イギーの為にも別れておいて良かったわ。

キンヤ

ってことは、まだ犬も生きてるのか。

キンヤ

でも、まあいいや。

キンヤ

犬も連れてきていいからさ、また一緒に暮らそうよ。

キンヤ

実はそのつもりで、お前と同じマンションに引っ越したんだぜ。

ミユ

へー。

ミユ

わざわざ引っ越したんだ。

キンヤ

なんだ、大して驚かないな。

ミユ

想定内だから。

キンヤ

やっぱり待っててくれたんだw

キンヤ

なあ、今から会いに行くからさ。

キンヤ

部屋番号を教えてくれよ。

キンヤ

ここのマンション、表札が出ていないから

キンヤ

部屋の番号までは特定出来なかったんだよ。

ミユ

もう引っ越したよ。

キンヤ

へ?

ミユ

私、そのマンスリーマンションにはもう住んでいません!

キンヤ

な、なんだって?

ミユ

あなたが付きまとい始めてから、夫が心配してくれてね。

ミユ

海外の赴任先から一時帰国して、引っ越しの手配をしてくれたの。

キンヤ

はあ?海外?お前の旦那って外国にいたのか?

ミユ

そうよ。夫は期間限定の海外赴任だったの。

ミユ

私は仕事もあるし、イギーもいるから日本に残ったのよ!

ミユ

で、ちょうど住んでたマンションの契約期限も切れたから、

ミユ

夫が海外に行っている間の1年だけ、シングル用のマンションを借りてたってわけ。

キンヤ

なんだって。

ミユ

でも、最近になってアナタが接触してきたから、彼が心配してね。

ミユ

それで、マンスリーマンションを解約したというわけ。

キンヤ

なんだよ、もう引っ越して来ちゃったよ…。

ミユ

復縁するなんて誰も言ってないのに、本当に引っ越すとか

ミユ

アタマ湧きすぎでしょ。

ミユ

むしろ病院にいったほうがいいよ。

キンヤ

いいや!俺は正常だ!

キンヤ

アタオカみたいに言うんじゃねーよ!

ミユ

充分アタオカだから…。

ミユ

もうそばに寄らないでほしいわ。

キンヤ

なあ、今どこに住んでいるんだ?

キンヤ

引っ越したって言っても、近くにはいるんだよな。

ミユ

教える訳ないじゃん。

ミユ

アナタとはもう、縁切りよ。

ミユ

こんど近づいてきたら、警察に被害届を出すからね。

キンヤ

え、冗談だろ。

キンヤ

俺はお前とやり直したいだけなんだよ。

キンヤ

なあ、分かってくれるよな?

キンヤ

もう一度やり直そうよ。

キンヤ

今度はもう、浮気しないし真面目に働くよ。

キンヤ

殴ったり蹴ったりもしないから、居場所を教えてくれ!

キンヤ

ミユ、返事をしてくれ。

キンヤ

既読もつかないんだけど…。

キンヤ

ブロックとかしないでくれ~。

キンヤ

ミユ、頼むよ…。

~その後~

ミユ

実は私、夫と相談してからすぐに、

ミユ

あのマンスリーマンションを引き払ったのです。

ミユ

1人で暮らすのはあまりにも危険だからということで、

ミユ

夫の実家に住ませていただくことになりました。

ミユ

義実家は警備会社も契約しているので、

ミユ

何かあれば警備員がすっ飛んできますから、とっても安心です。

ミユ

義両親も、私が急に来たので、ご迷惑かと思いきや

ミユ

とても優しく迎えて下さったので、ありがたく思っています。

ミユ

おまけにイギーの事も可愛がってくれます。

ミユ

夫は一時帰国後、再び赴任先に戻りました。

ミユ

私に言ってくれた通り、当初の赴任期間を短くし、

ミユ

3か月後には日本に戻る予定です。

ミユ

誠実で頼もしい夫には、ますます惚れ直してしまいました。

ミユ

ちなみに元夫・キンヤの方はというと。

ミユ

私が引っ越したと知ると、マンションの管理人に

ミユ

「ミユの引っ越し先を言え!と怒鳴りつけて暴れたそうです。」

ミユ

もちろん管理人はそんなコトを言うはずもなく、

ミユ

キンヤは理不尽に大暴れした挙句、警察を呼ばれて

ミユ

あっけなく捕まってしまったそうです。

ミユ

呆れてモノが言えませんね。

ミユ

私は、夫が帰国したらまた別の場所に引っ越し、

ミユ

2人と一匹で静かに暮らす予定です

ミユ

皆さんも、日々の生活が平穏でありますようにと祈っています。

ミユ

それではまた!

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