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りん
とん、と肩を叩かれて、私は振り返った。
りん
そこに居たのは、朱坂りん。私の、小学校の頃からの親友だった。
雨音
りん
雨音
りん
そう言って、りんは笑ってみせる。 その顔は、誰からも愛されるような、輝きに満ちた笑顔だった。
でも、私はたまに思う。
── 本当にりんと居ていいのかって。
りんは小学校の頃から、みんなの人気者だった。
クラスメイト
クラスメイト
りん
りんはいつも、みんなと話すのも忙しそうだった。そのくらい、男女ともに人気があった。
りん
りんは、私の席へ駆けてきた。
りん
雨音
りん
りん
りんは私に、切ないような、でもどこか悲しいような。そんな表情を、私に向けた。 私を、どんなときでも、いつでも守ってくれるような、優しさで溢れているように思えた。その、りんの表情ひとつで。
りん
雨音
つい、りんの美しい顔に惹かれていた。いや、りんは元々から良い。そうだ。 りんが私に向かって、心配そうな顔をする。その表情も、やっぱり私を惚れさせる。
雨音
「つい」の後の言葉が続かない。続くはずなのに、口が動かないのだ。
りん
雨音
りんに図星をつかれた。完璧に当たっている。 ── やっぱり、りんは、私をいちばん──。
クラスメイト
クラスメイト
ついさっきまでりんと話そうとしていた女の子たちだ。 私が、私のせいで、あの子たちが話す時間がなくなってしまった。私のせいで⋯⋯。
りん
りんは女の子たちのほうへ視線を向けて言った。しかしその後すぐに、私に向き直って言った。
りん
りん
りん
雨音
とは言ったものの、本当はもっとりんと一緒にいたかった。もっと話して、もっと一緒に過ごしたかった。 ── だけど、そんなこと、言えなかった。言えるはずがなかった。 そんなことを言えば、りんは私のいいところをたくさん言う。そんなこと、言ってほしくもないのに。
りんには友達がたくさんいる。はじめは私だけだったけど、だんだん、年を重ねるうちに、りんの友達は増えていった。私と違って。たくさん。 だけど、りんは、こんな私を、彼女の口で “親友” と呼んだ。それが聞けて、嬉しかった。嬉しかった、けど ── 。
私は、その言葉、何回も聞いた。そう、それも、りんの口から。 だけど、“親友” って、なんだろうな、って、思い始めてた日があった。
私は思う。りんの親友で居て、りんの親友で、あの子は何が嬉しいんだろう、って。
聞きたかった。 私がりんの親友である理由を。私がりんの親友であるべき理由を。