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僕は今日も君と生きる

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僕は今日も君と生きる

1 - 僕は今日も君と生きる

2019年08月21日

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屋上にて

颯斗

(もう、なにもかも嫌だ)

颯斗

(これであいつにも会えるし)

颯斗

(これでいいや、どうせ俺の人生そんなもんか)

謎の女

ねぇ、死ぬの?

颯斗

…は?

颯斗

誰?

謎の女

君、死ぬの?

自分の毎日ってなんなんだろう

毎日起きて食って寝て

ただそれを繰り返して

退屈だ

颯斗

(…死にてぇ)

ちょっと!!

颯斗!!

ゴロゴロしてないで勉強でもしたらどうなの?!

颯斗

うるせーな

何よその口の利き方!!

今年受験生なんだから頑張りなさいよ!!

颯斗

…んだ…ら

なに?なんかあるの?

颯斗

そんなんだから親父に捨てられんだろ?!

なんてこと言うの?!

颯斗

だってそうだろ?!

颯斗

都合のいい時だけ突っかかってくんなよ!!

……

バタン

颯斗

(やっと出ていった)

美咲

ねぇ、颯斗

颯斗

ん?

美咲

凛子のこと聞いた?

颯斗

颯斗

なんも聞いてねぇけど

颯斗

なんだよ?

美咲

落ち着いて聞いてね

美咲

凛子……

美咲

夕方飲酒運転の車にはねられて

颯斗

は?

美咲

意識不明の重体だって…

颯斗

どういうことだよ

颯斗

なんだよそれ?!

颯斗

通話終了

通話
08:03

美咲

だから、ほんとパニックかもだけど…

颯斗

ああ、そりゃな…

美咲

いちお、凛子の彼氏の颯斗には伝えとこうって思って

美咲

余計なことしてたらごめん

颯斗

いや

颯斗

教えてくれてありがと。

美咲

うん…

凛子…

ちょっと前までは元気だったよな

…なんで俺手震えてんだ

颯斗ーーー!!

お風呂入りなさい!!

颯斗

うるせぇ!

颯斗

わかったから、下から呼ぶんじゃねぇよ

毎日つまらなくて、その上彼女無くして、俺生きてる意味なくね

俺が居なくなっても誰も悲しまねぇよな

ざわざわ

美咲

あっ

美咲

颯斗

颯斗

おう

美咲

大丈夫?

美咲

昨日の…

美咲

もうクラスのみんなも知ってるみたいで

颯斗

ああ

結構やばい状態なんだろ?

颯斗

…海

颯斗

知らね…

おい、知らねって…

凛子ちゃんはお前の彼女だろ?!

心配じゃねぇのかよ?!?!

颯斗

…心配じゃないわけないだろ

颯斗

心配だよ、

颯斗

俺だってどうしていいかわかんねぇよ

颯斗…、

だよな、ごめん

美咲

…とにかく無事を祈ろう

クラスメイト

飲酒運転はねられるとかかわいそ…

クラスメイト

だよなー

クラスメイト

凛子ちゃん目覚めるといいけどなー

クラスメイト

俺だったら避けてるけどなー

クラスメイト

あはは!!無理だってw

颯斗

おい

クラスメイト

なんだよ

クラスメイト

お前も彼女ひかれて気の毒だよな

クラスメイト

でも、たいして仲良さそうじゃなかったよな

颯斗

あ?

ちょ、颯斗…

颯斗

……くだらねぇ

颯斗っ!!

美咲

颯斗……

美咲

颯斗、変なこと考えてないといいけど…

変なことって?

美咲

…もし、凛子がこのまま目を覚まさなかったら

美咲

颯斗も後を追って

やめよう

そういうこと考えるの

美咲

う、うん、そうだよね

美咲

信じよう、大丈夫だよね

うん、きっと大丈夫だよ

屋上にて

颯斗

クソ…

颯斗

あいつら勝手なことばっか言いやがって

颯斗

……

颯斗

(でもほんとに凛子がこのまま死んだら)

颯斗

(俺は…)

凛子とはそういやもうしばらく出かけてやってないな… 俺が忙しいとか言って

しばらく好きとも言ってやってないし

それでも俺は…

お前が好きだったよ

颯斗

(もう、いいや)

颯斗

(もうなにもかも嫌だ)

颯斗

(これであいつにも会えるし)

颯斗

(これでいいや、どうせ俺の人生そんなもんか)

全身の力を抜き前に倒れようとしたその時だった

謎の女

ねぇ

謎の女

死ぬの?

颯斗

は?

謎の女

君、死ぬの?

後ろの方で声が聞こえた

俺は振り返る気にもならなかった

颯斗

ああ

颯斗

毎日つまらねーし

颯斗

親に対してもいい息子になれねーし

颯斗

…恋人は死ぬし…

颯斗

俺の生きてる意味ないなーって

謎の女

ちょっと

謎の女

勝手に殺さないでくれる?

颯斗

は?

振り返るとそこには元気そうな凛子がいた

間違いなく凛子だ

凛子はこっちを見て笑みを浮かべている

颯斗

お前…

颯斗

なんで…

凛子

自分でもよくわからないけど

凛子

私いま意識不明の重体らしくてさ

颯斗

ああ、知ってるよ

颯斗

いま…って

凛子

うん、なんか幽体離脱てきな?笑

颯斗

は?!

凛子

体が軽いの

颯斗

いやいや、ちょっと待て

颯斗

そんな現実離れした話…

凛子

ほら、壁も通り抜けられるし

凛子は屋上の扉の壁を通り抜けた

颯斗

嘘だろ…

凛子

ほんとだよ

颯斗

…すっげぇ

凛子

関心してる場合?

凛子

私いまも危ないんだよ?

颯斗

……

颯斗

知ってるよ

凛子

颯斗が心配できちゃった

凛子

颯斗、死ぬの?

颯斗

……

颯斗

お前が死んだら

颯斗

死ぬかもな

凛子

……

凛子

私多分死ぬよ

凛子

自分で分かるの

颯斗

颯斗

なんでだよ?

凛子

こうやっていま体から抜け出して会えてるのって最期だからな気がするの

颯斗

………

凛子

お願いがあるの

颯斗

なんだよ?

凛子

家族に会いたい

ピンポーン

はい

颯斗

あの…

颯斗

凛子さんの…

あ、待ってね今開けるから

颯斗

あ、はい

ごめんなさいね、わざわざ

凛子のお友達?

颯斗

え、と

凛子

(付き合ってるってちゃんと言ってよね)

颯斗

分かってるよ…

颯斗

あの、凛子さんとお付きいしてます

颯斗

市原颯斗です

あらあら…

上がって

颯斗

ありがとうございます

さっき凛子の様子見てきたんだけどね

やっぱり危ないみたいで

ううっ、、、

凛子

お母さん…

凛子が背中をさすろうとするが手は背中を抜け通った

凛子

っ……

颯斗

見えてないのか…

ええ?なにが??

颯斗

あ、いや、なんでもないです

凛子

颯斗、いまここに私がいるってこと言って

颯斗

信じて貰えねぇよ…

凛子

お願い。

颯斗

颯斗

あの、凛子の母さん、

はい、、?

颯斗

凛子は

颯斗

いま、お母さんの後ろにいます

え?

…居ないじゃない…

ありがとう、慰めてくれてるのね

颯斗

違います

颯斗

ほんとにいるんです

颯斗

さっき泣いてるあなたを見て背中をさすろうとしてました

颯斗

信じれないと思いますが…

……

凛子

颯斗、今から言うこと言って

颯斗

え?

凛子

お母さん、

颯斗

は?おれが?

凛子

…いいから。お願い

颯斗

颯斗

お母さん

?!

凛子

私はここだよ

颯斗

私はここだよ

凛子

ごめんね、飲酒運転なんかにひかれて…

颯斗

ごめんね、飲酒運転なんかにひかれて

り、凛子なの?!

凛子の方を振り向いた

凛子

うん。

凛子

あのね、私お母さんの子供でよかったよ

凛子

お母さんがいてお父さんがいて私がいて、ほんとに

凛子

幸せだった

凛子っ………

颯斗

(言わなくて大丈夫みたいだな)

凛子

私は多分もう居ないけど、絶対幸せに暮らしてね

……っ

凛子、あなたのお母さんでよかった

私を凛子のお母さんにしてくれてありがとう…

凛子

お母さん……

2人の目から涙があふれる

2人は触れないはずの体を抱き合って涙を流した

何度もありがとうと言いながら

颯斗

…良かったな、

…ありがとうね

颯斗くん、、

颯斗

はい…

あなたがいたから凛子とちゃんと、お別れできたわ

颯斗

…俺がいたから?

そうよ

颯斗

……

颯斗

凛子、もう見えなくなってるのか?

凛子

うん、お母さんにはもう見えないみたい

颯斗

そうか。。

凛子

でも、いいの

凛子

ちゃんとお別れできた

颯斗

…まだ諦めるなよ

凛子

ん?

颯斗

なんでもない

凛子

あともうひとつお願いがあるの

颯斗

なんだよ?

凛子

病院、

凛子

私に会いに行きたい

颯斗

……

颯斗

わかった

颯斗

あの、宮脇凛子の、、

看護師さん

ああ、少しお待ちください

看護師さん

宮脇さんなんですけど、いまは面会時間じゃなくて…

颯斗

…お願いします

颯斗

どうしても会いたいんです

看護師さん

…先生に聞いてみますね

颯斗

ありがとうございます

凛子

大丈夫かな、

颯斗

大丈夫だよ、でも

颯斗

凛子だけで行けばいいんじゃないか?

凛子

…怖いの

凛子

自分の死ぬ直前の姿を一人で見るの

凛子

颯斗が居たらきっと大丈夫だから

颯斗

…俺だって見たかねぇよ

颯斗

凛子のそんな姿

凛子

ごめん…

看護師さん

あっ、少しなら大丈夫だと言うことです

看護師さん

ご案内しますね

颯斗

ありがとうございます

颯斗

凛子…

そこには頭に包帯を巻き

傷だらけで、酸素マスクを付けた凛子がいた

凛子

……

颯斗

おい、凛子大丈夫か

凛子

う、うん

凛子

ちょっとびっくりしたけど

颯斗

寝てるみたいだな

凛子

まだ生きてるよ

凛子

だから寝てるの

凛子

…ほんとに私死んじゃうんだね

颯斗

…そんな事言うなよ

凛子

私、颯斗と出会えて幸せだったよ

凛子

ろくにデートには連れて行ってくれないけど生意気で意地っ張りでも

凛子

颯斗の言葉には一つ一つ思いやりがあって

颯斗

…なんだよそれ

凛子

大好きだった

颯斗

俺だって…

颯斗

お前のこと大好きだよ

凛子

珍しいね

凛子

そんなこと言うなんて

颯斗

言ってる場合か

凛子

あのさ、

凛子

正直、颯斗が屋上で死のうとしてる時すごく焦ったけど

凛子

このまま一緒に天国に行けるならいいかなって思っちゃって

颯斗

凛子

でもね、

凛子

颯斗は、まだたくさん生きて欲しいって今日思ったの

颯斗

なんで

凛子

今日、お母さんが、あなたのおかげでって言ったでしょ?

颯斗

…あ、

颯斗

そうだった

颯斗

俺もあんなこと言われたの初めて

凛子

だからね、颯斗はもっと人の役に立てると思うの

颯斗

颯斗

ありがとう

凛子

あと、好きな人には生きていて欲しい…し

颯斗

ごめん、おれ死のうって思ってたのバカみたい

颯斗

凛子のこと考えてなかった

凛子

え?

颯斗

俺も今になって分かるよ

颯斗

凛子が死ぬのなんて

颯斗

絶対嫌だ…

凛子

颯斗っ…

颯斗

凛子

颯斗

諦めないでくれ

颯斗

俺ずっと待ってるから

颯斗

ちゃんと生きてまた会いたいんだ

凛子

……

凛子

約束したいよ

凛子

でも、、

颯斗

信じるんだよ

颯斗

自分を

颯斗

お前はひとりじゃない

颯斗

凛子には…

颯斗

俺が居る

凛子

…っ

凛子

私頑張ってみる

凛子

絶対生きて、会うから

颯斗

…凛子…

2人の顔と顔が近づく

重ならないはずの唇が重なった

目を開けると凛子はいなかった

颯斗

凛子……

颯斗

絶対生きろよ

あ、颯斗くん…来てたのね

颯斗

あ、凛子の母さん

凛子…寝てるみたいね

颯斗

…凛子絶対生きて帰ってきますよ

え?

颯斗

あいつが言ってたんです

颯斗

信じましょうよ

そうね……

颯斗はずっと凛子の手を握り続けた

颯斗

?!

颯斗

(いま、凛子の手に力が?!)

颯斗

先生呼ばなきゃ…

凛子

…は、やと?

颯斗

?!

颯斗

り、凛子?

凛子

わ、たし

凛子

生きたよ

凛子

ちゃんと生きて会えたよ

颯斗

…………

凛子

何泣いてんの?

凛子

颯斗らしくない

颯斗

っるせぇ、、

颯斗

顔見んな……

颯斗

凛子こそ泣いてんじゃんかよ

凛子

だって…嬉しいんだもん

凛子

ずっとね、颯斗が呼んでるの

凛子

凛子、凛子って

凛子

颯斗が居たからだよ

颯斗

…俺、人の役にたつ仕事する

颯斗

そんでたくさん笑ってもらうから

凛子

うん、、

凛子が笑った

凛子?!?!

目覚めたって…!!!

凛子

あ、おかーさん…

なに、笑ってんのよ…

沢山心配かけて……

…よかった

凛子

おかーさん、苦しいよ

凛子

また会えてよかった

凛子

お別れした意味なかったね

覚えてるの…?

凛子

当たり前じゃん

先生

奇跡だ…

先生

目を覚ますなんて…

凛子

へへっ

颯斗

凛子、

颯斗

ずっと凛子を守るから

颯斗

ずっと一緒に居てくれないか

凛子

ちょっと、みんなの前だよ?

颯斗

居てくれるか?

凛子

…もちろん!!

凛子

私が颯斗を幸せにしてあげるよ

颯斗

それ逆な

それから凛子はものすごい回復をみせ

1か月後には退院し普通に歩けるようになった

颯斗

凛子!

凛子

颯斗遅いっ

颯斗

わりー

凛子

デート慣れてないからって…

颯斗

わりーって

颯斗

どこ行く?

凛子

うーん、颯斗の行きたいとこ!

颯斗

なんだよそれ笑

颯斗

なあ、凛子

凛子

ん?

颯斗

大好き

凛子

……!!

凛子

私も大好き!!

死が教えてくれた大事なこと

大切な人と生きる喜び

大切な人が隣で笑ってる幸せ

大切な人のために今日も生きる

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