5月
高1の思春期に私は
サイテーなことを
やらかした
その日は無性にイライラしてて…
れいあ
斗亜くん!このプリント明日までにやっててな!
斗亜
うん!れいあちゃんいつもありがとう!
れいあ
そういえばさ、斗亜くんは好きな子いるの?
さくら
斗亜だ…!
斗亜
いるよ!好きな子!
さくら
え!いたんだ…
斗亜
耳貸して!( ボソッと)さくら
れいあ
へぇ〜!
れいあ
頑張ってね!
斗亜
ありがとう!
れいあ
あ!さくらちゃんだよ!
斗亜
え?ホントだ!
斗亜
さくら!どうしたの〜?
さくら
いや、どうしたもこうしたもの無いよ!
さくら
何、さっきの!
斗亜
あ、いや!
斗亜
ちょっも恋バナしただけだよ!
さくら
何必死に弁解してるの?
さくら
興味ないよ斗亜の恋バナなんて
斗亜
またディスった〜!
さくら
どうでもいいよ
斗亜
さくら?
さくら
いいからほっといてよ!
斗亜
さ…さくら?
れいあ
斗亜くん…
れいあ
わ、私のせいかな?
斗亜
いや、れいあちゃんは悪くないよ!
斗亜
全然気にしないで!
琉巧
あ!さくら!
琉巧
今日の夜何食べる?って大晴兄ちゃんが…
さくら
学校では話しかけないでよ!
琉巧
さくら待ってよ
さくら
うるさいな!
琉巧
…もういい!
彪太郎
どうしたの、琉巧。
琉巧
さ、さくらが!
彪太郎
さくら?
琉巧
なんか今日変なんだよ!
琉巧
反抗期なんてもう終わったのに!
琉巧
うるさい!って怒鳴られたんだ…
彪太郎
そっか。
彪太郎
いつもは優しいさくらだから、爆発することもあるよ。
彪太郎
そっとしとこう?
琉巧
うん。
拓哉
さーくら!
拓哉
どうしたん?そんな顔赤くして
さくら
た…拓哉。
さくら
ごめん今日は話しかけないで!
拓哉
待って!
止める拓哉の手のひらを
パッと振り払って走り出した
さくら
はぁ…
さくら
何だろ、今日は。
屋上に寝転がる
少しホコリの匂いがする
ガチャっ
ドアの開閉音がして
パッと起き上がると…
さくら
風雅?
風雅
よー、さくら。
風雅
先客がいると思ったら。
さくら
え?何でここに?
風雅
いっつも俺、落ち着きたい時は抜けてここ来てるの気付かなかった?
さくら
気付かなかった…!
風雅
それはそれでショックや笑笑
さくら
ごめん
さくら
あ、あのさ
風雅
ん〜?
普通の顔して私の横に寝転がる
さくら
私今日、両刃のナイフみたいに人を傷つけて回ってさ…
さくら
このままだと、風雅まで傷つけかねないから
さくら
今日は!
さくら
1人にして
風雅
出来ねーよバカ
さくら
バッ、バカって!
風雅
もともと傷つけてんだろ?
風雅
1人にして、とか、どんだけ俺のこと頼ってないのって話。
さくら
で、でも…!
風雅
それに俺は
風雅
さくらになら傷つけられてもいいよ?
さくら
え?
さくら
な、何男前なこと言ってんの
風雅
ん?
風雅
本心やけど?
風雅
斗亜にはあんなにハッキリ言うのにさ
風雅
最近あんまりハキハキ言わんし
風雅
昔みたいに思ったこと何でも言うさくらが、俺は恋しいよ?
風雅
拓哉にも…
風雅
感情むき出しにしてんの?
さくら
え…
風雅
まあいいよ
風雅
振り向かせて見せるから。
さくら
ど、どーいうこと
風雅
さくら。
風雅
これはゲームだよ。
風雅
恋の…ゲーム。
さくら
恋のゲーム?
風雅
お前に関わる全ての男がきっと
風雅
お前が好きだから、な。
さくら
ええええええええ!
さくら
嘘!
風雅
そんなくだらねー嘘つかねーよ
さくら
だ、だよね
さくら
マジか…
風雅
まあ、人を傷つけても傷つけられても
風雅
人間なんだから仕方ないよ
風雅
傷つけない生き方も
風雅
傷つけられない生き方も
風雅
ないんだからさ。
風雅
じゃ、ゆっくりしてけよ!
さくら
おう!
つづく