水
赫
バレてから1か月。 …あれから、りうちゃんは口を聞いてくれない。
水
話しかけても、 少しちょっかいをかけてみても、 僕なんかいないように暮らしている。
水
…もし、このまま何も言えず りうちゃんと別れちゃうとしたら。
考えるだけでゾッとする。
水
…こう言う時に限って、 邪魔が入るのは どうしてなんだろう。
ばんっ、と音がして 鉄の扉が勢いよく開けられる。
-
水
不機嫌そうな顔を覗かせたのは、 いつも僕を好き勝手使う男。
水
身体全体が拒否をする。 いつもなら大人しく彼奴に着いていくはずの足が、 貼り付いたかのように動かない。
全身が、 いつもと何かが違う雰囲気を感じ取っていた。
今日は何? 犯される。 壊される。 それとも今日こそ、本当に…
…当たって欲しくなかった予感。 今一番、されたくなかった事。
-
水
そんな言葉が、 僕の耳に飛び込んだ。
守れない。 彼を。りうちゃんを。
…もう、話せない。
やっと理解が追いついた僕を、 問答無用で引っ張っていく男。
水
-
掴まれた腕を強引に引っ張られ、 部屋の外へと追い出される。
水
伸ばした手の先に見えた彼の瞳は、 不安そうな、怒っているような。 …それでいて少し安心している様な。
そんな複雑な色を湛えていた。
水
赫
彼と僕を遮る扉を閉めたのは、 男ではなく彼自身だった。
水
-
掴まれている腕が、 彼を守りきれなかった腕が、 …酷く冷たく感じた。
…とある貴族 視点。
青
やってしまったなぁ、なんて考える。
青
元々、 身寄りのない人に職場を提供する店だと聞いていた。
そこで雑用を見つけるつもりで、もう1人とこの店にやって来たのだ。
が、来てみたらどうだ。 …ここは、この国では違法な奴隷売買が行われている。
…違法な、出し物。 それに気付いた時は、 すぐにここを出ようとした。
…上に報告するつもりだった、はずなのに。
青
慌てた店主に勧誘の為に見せられた、 奴隷全員の顔写真。
…その中に、どうしても気になる顔があったのだ。
青
俺は即、そいつを引き取る契約を結び、 もう1人も気になる奴がいる、とかなんとか言って どこかへふらりと行ってしまった。
青
一瞬の気の迷いを恨む。 …が、それ以上に。
青
“好奇心” が勝ってしまう俺は、すでに少し狂っているのかも知れない。
コメント
3件
多分初コメ失礼します💦 水くんが赤ちゃんを大事にしてるところがすごく好きだし、水くん受けのRも大好きなので続き凄く嬉しいです.ᐟ"(ฅº¦ºฅ) 次はどんな展開になるのかすごく楽しみです.ᐟ 気長に続き待ってます.ᐟ 頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧
続き待ってました!✨️✨️ 切ない…( ՞߹𖥦߹՞ ) 水くん、青くんと幸せになってくれ(*˘︶˘*).。.:*♡ 赤ちゃんも幸せになって欲しいです💕︎︎ 続き楽しみです!( ˶>ᴗ<˶)ワクワク