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研磨の後押しもあって

俺と日向は付き合うことになった。

俺が大学生になった今でも交際は続いてる。

研磨はやっぱりチビちゃんの事を諦めてないようで、

よく2人で遊びに行っている。

今回は珍しく、

俺と研磨の2人で遊びに来ているのだが、

俺とチビちゃんの惚気話をすると

研磨は顔を顰めた。

孤爪研磨

なに、自慢?

黒尾鉄朗

そ〜ですよ〜?

孤爪研磨

……

黒尾鉄朗

まぁまぁ、そんな顔しなさんなって研磨くん

孤爪研磨

はぁ、まぁ、今''だけ''は翔陽の頭の中、独り占めしてていいよ。

黒尾鉄朗

今″だけ″…?

孤爪研磨

…うん。今 だけ 。

含みのある笑いと、

ハイライトの入っていない目。

最近研磨と会っていなかったから気付かなかった。

研磨の良くないことを考えている顔。

きっともう手遅れだ。

何言っても、

もう研磨は戻ってこない。

そう感じる雰囲気を醸し出していた。

その姿に俺は息を呑んだ。

黒尾鉄朗

…日向にはなんにもしないよな?

孤爪研磨

勿論。翔陽には何もしないよ。クロにもね。

正直、研磨が何を考えているかこの時は分からなかった。

恐怖さえも感じた。

チビちゃんは俺が護らないと、

と思える程に、怖かった。

けど注意を払うのは日向じゃなかったんだ。

研磨が死んだ。

日向と研磨が2人で出掛けていたとき、

信号無視のトラックから日向を庇って死んだ。

日向は俺のせいだ、と背負い込んで

研磨が死んでから1ヶ月は何も手につかず苦しんでいた。

俺も後悔をしていた。

『今だけは翔陽の頭の中、独り占めしてていいよ』

この言葉はきっと、

こうなるって事を言っていたんだ。

研磨が死んでから半年が経とうとしてる今でも、

日向は偶にパニックを起こして泣き叫ぶ。

その時に

黒尾鉄朗

翔陽

と声を掛けてやると、

抱きついて来て

日向翔陽

研磨、ごめん、ごめんっ、…研磨…覚えてるからッ……

と謝りながら研磨の名前を呼び続ける。

黒尾鉄朗

本当にこれで良かったのかよ、研磨。

墓に線香とスイートピーとアップルパイをお供えして手を合わせる。

俺の問いに応えるように線香の煙が大きくうねった。

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コメント

2

ユーザー

ワックワクで見に来たんにBad Endでちょっと固まったわw

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