大森元貴side
大きな川が見える
俺がいるこの場所と、向こう側は大きく雰囲気が違う
川には橋がかかっていて、行こうと思えばすぐに“向こう側”にいくことができる
向こう側は、花が咲き乱れている綺麗な場所がある。
行きたいな
あの花に向かって、大きく一歩を踏み出す。
踏み出した足の感覚は確かにあった。
でも、腕だけ、ボロボロだった。
おびただしいほどのミミズ腫れ。かさぶた。
気色の悪さに鳥肌が立つ。
こんな姿、誰も求めないよな
でも、あの花の場所だけは、俺を呼んでる気がして。
もう一歩踏み出す。
その時だった。
wki
後ろから大きな声。
聞いたことがある声。
この声は…若井?
hjsw
この声は涼ちゃんかな
スタッフさん
この声はスタッフさんかな、
ずっと、この場所に俺を呼ぶ声が鳴り響く。
みんなの呼んでる声が聞こえる
でも、俺はもう行けないよ
どうせまた、アンチに叩かれるんでしょう?
じゃあ、ここにずっといる
そう思ってもう一度足を踏み出した時、
俺の体は後ろの強く引かれた
藤澤涼架side
元貴が目を開けた
すうっと、まるでそれが当たり前みたいに、目を開けてくれた
若井は、顔をくしゃくしゃにして、泣きながら笑っていた。
それは僕も一緒だった。
元貴はまだ天井を見上げてぼうっとしている。
元貴の腕を見ると、たくさんのかさぶたができていた。
元貴が、アンチに悩まされていた証拠だ。
ごめん、元貴
気づかなくてごめん。
こんなふうに体を傷つけさせてごめん。
元貴に全てを抱え込ませてごめん。
メンバーなのに、全然気づくことが出来なかった。
でも、僕はやっと気づくことができたから。
僕は今から元貴に話さなければならない。
元貴がアンチに怯えることなく生きていけるように、
堂々と俺はMrs.GREEN APPLEだ!って胸を張って言えるように、
また三人でMrs.GREEN APPLEとして活動できるように、
僕は今から元貴に話すんだ。
元貴の抱え込んでいる問題を、一緒に解決していこう。
もう、話す言葉は決まっていた。
元貴を傷つけるような鋭い言葉を使ってしまうのは、 わざとかもしれないし、わざとじゃないかもしれない。
でも、全ての言葉の裏側には同じ思いが込められていた。
“Mrs.GREEN APPLEには大森元貴が必要だ”
やっと言える、元貴の存在の重大さ。
僕たちの、一途な思いだった。
こんにちは✨
今回ちょっと短いです そしていよいよ次が最終回になります✨ 楽しみに待っててくれると嬉しいです👍
6000いいねありがとうございます✨ この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
それではまた!
コメント
7件
もうめっちゃ感動してこの作品好きです! 最終回楽しみにしてます
もう泣いてる。最終回見て涙腺崩壊とかじゃない。もう泣いてる。大好きです