僕はまた嘘をつく 〜完結済〜

〜状況説明中〜

僕は、ずっと息を整えていた

身体の震えは未だにとまってはくれず、声を出すことすらままならない

……そうだ…そろそろ昼休み終わる…ｯ……カッター取り返して教室戻んないと……

俺は、全力で走った

教室にさえ行けば、大丈夫だから

ガラッ

俺は、息を整えながら席に座った

教室の後ろでみんなが喋ってる声が聞こえてくる

授業始まっちゃえば俺のことを気にかける人もいなくなるよね…

キーンコーンカーンコーン

僕の呟きは、チャイムの音にかき消された

45分後

キーンコーンカーンコーン

授業、ようやく終わった……

俺はテニス部なんだよね〜……ちなみにほとけっちも俺と同じ

初兎ちゃんは陸上部で、ないちゃんは美術部、まろはバスケ部で、アニキがバトミントン部だっけな

あまりにも準備が遅いほとけっちを置いていくように、俺はテニスラケットを手に持ち、リュックを背負ってコートへ向かった

ほとけっちの声が聞こえたのは、気にしないでおこ…

他愛もない話でも、演技は忘れずに、バレないように

感情をロボットみたいに発して

僕、人間だっけ……w

そこから、いつも通りの部活が始まった

準備体操して、ラリーして、終わったら今日は部内戦して、

部内戦をしているみんなの顔は真剣で、俺じゃ到底出来ない顔をしていた

いつも通り……だな

なんも思わない…

試合が始まって、俺がリードしても、ほとけっちにリードされても、

悔しさはなかったし、喜びもなかった

今すぐ、そんな自分が消えれば幸せかな

なんて、試合中に考えてた

試合が終わって、挨拶を済ませ、荷物の方へと足を運ぶ

水を飲んで、息を整えながら、普通を装う

その時、何故かふとゆきむのことが頭に蘇った

ほとけっちの走る音を聞いた後、僕は膝に頭を埋めた

熱い雫が頬を伝い、膝に落ちる

それだけの事が、酷く恐ろしかった

ジャージを捲れば大量の傷

内面を覗けばどす黒い何かの塊

そんな自分が

俺は大っ嫌いだ

涙をとめ、俺は上から発せられた言葉の主を見上げた