シクフォニ十二支―ニ

⚠注意⚠ こちらは完全なる二次創作です ご本人様には一切関係ございません 二次創作を知らない方、関係者様などの目に触れないようご配慮下さい 獣表現あります、苦手な方は閲覧をご遠慮下さい

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…

焦りから、つい大きな声を出してしまう

俺達がこんなにも焦っている理由＿

それは、すちがすでに殺されているかもしれないという不安だ

とにかくすちのいるらしい方向に走りながら、転移魔法を使うためみことに正確な座標を出してもらっている

しばらく走ると、うっそうと広がる森が途切れ、明るい場所に出た

目が光に慣れるのを待って、ゆっくりと目を開く

そこには＿

血に塗れたいるまが、一人立っていた その手には血の滴るナイフが握られている

いるまの足音には何かが転がっていた

恐らく＿人だ

しかし、赤い液体に濡れたそれはめった刺しにされたようで原型を留めておらず、誰か判別がつかない

いるまを睨み、魔力を高めていくなつを制止する

これを聞いた瞬間、その場の空気が音を立てて引き攣れた気がした

色んな感情が入り混じって、頭が真っ白になる

ﾄﾞﾎﾞﾝｯ

騒ぐ大人の声が、遠くに聞こえた

あー…

俺、死ぬんだ

その事実だけがやけに重く心にのしかかって

ぜんぶどうでもよくなって

俺はゆっくり目を閉じた

次に目を開けたのは、光に包まれた場所

どこかから、声が聞こえた

音が反響して正確な場所は分からないし、姿も見えない

状況がまったく飲み込めない

何でも、望みを＿

その言葉につられて、つい本音が口からこぼれてしまった

＿やるからには、全力でやる

　ｷﾎﾞｳ 全ては、俺の死のために。