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【枢軸組】明日は何する？

第11話 - そこに居たのは

1,630

2025年08月11日

#カントリーヒューマンズ

#BL

#countryhumans

#カンヒュ

#りたはちくわ好き

#腐向け

りた～伝説のちくわ～

「イタ王!?!!?」

私と日帝、どちらが先と無く同時に叫んでいた。

ピアノの前に座るは、私達のルームメイトであった。

ナチス

(なんだ、どうして、
しかも真っすぐ
うちに帰らず、
こんなところで
こんな時間に―――…！)

ナチス

(でもなぜか、
心のどこかで、)

ナチス

(なんとなく
ここに居る気がした…。)

イタ王

ああ、ふたりとも………

イタ王

ただいま。
一昨日ぶりなんね！

ナチス

………ッただいま、
では無いわ馬鹿者!!!!

日帝

遅いから心配したのに、
呑気になにして………！

私と日帝の声は再び重なり、

イタ王をまくしたてる様に早口になった。

…それを受けてもイタ王は、

イタ王

ああ　うん、そうだね

…どこかしら夢現で、私の目を見ていない。

私はそれに強い違和感を覚え、

ナチス

一体…なにがあった？

と問いかけるも、

イタ王

うん　今日はもう遅いから
帰らなきゃだったなんね

イタ王

ふたりとも、
おうちにかえろう

結局その晩はやむを得ず、問い詰めることなく眠ってしまった。

翌朝。

目を覚ますとベッドの上には私ひとりしかおらず、慌ててリビングに行くと日帝が居た。

ナチス

い、イタ王は……？

日帝

安心してください、
顔を洗っている
だけですから。

ナチス

よかった………………

またしても所在不明、というわけではなかった。ひとまず安心だ。

ナチス

…日帝、

ナチス

朝食は私が作る。
その間に、イタ王から
聞いておいてくれ…、

ナチス

………昨晩のこと。

日帝

…わかりました。

キッチンから、リビングでの会話が聞こえる。

日帝

それじゃあ…昨晩は、
七時台には仕事を
終えていたというのか！？

イタ王

うん、そうなんね

日帝

仕事を終えていたなら
そう言ってくれ…
こっちは無事かどうかで
悶々としていたんだぞ。

イタ王

そっか。

日帝

えぇ…！！？
あっさりしすぎじゃないか!?

日帝

もっとしおらしくて、
もっと反省してるとか、
もっとこう…ないのか！

イタ王

うん…？

受け答えがまるで雲だ。心ここにあらず、といったところだろうか。

ナチス

なるほど
どうしたものか…。

日帝

行ってきます！

ナチス

ああ、気を付けて。

ナチス

……イタ王、
貴様本当に行くのか？

イタ王

うん　イオ元気だよ？

ナチス

体調と言うより、
いや…うーん………

ナチス

とにかく！
今日は帰宅前に
一報入れることだ。
分かったな？

イタ王

わかったんね

ナチス

…ならいい。
行ってらっしゃい。

イタ王

―――――…、、

バタン。

何故だろう、今、イタ王が私に何かを伝えかけていたような…

日帝

通話
00:00

日帝

申し申し先輩、
今から帰る！

ナチス

ああ、日帝か。
帰宅報告ならいつも通り
メッセージでよかったのに…

日帝

あの…先輩、

日帝

今日はちょっと、
イタ王を迎えに
行きませんか？

日帝

やっぱり心配ですし……

ナチス

………………そうだな。

ナチス

私も少し気掛かりなんだ、
すぐに片付けて向かおう。
昨日の駅集合で構わんな？

日帝

はい……っ！

ナチス

では、失礼する。

日帝

応答なし

ナチス

日帝！

駅の入り口で待っていた日帝に私は駆け寄った。

日帝

先輩、ご足労
ありがとうございます。

日帝

実を言うと………
来ていただいたのには
理由がありまして、

ナチス

理由？
迎えに行くんじゃ
ないのか？

日帝

これを見てください

猫耳を揺らして「ちょいちょいっ」と手をこまねく姿にドキッとしつつも、私は目を逸らさない。

…目が逸らせない。

ナチス

これは――――…

ナチス

音大の………学生証？
それに卒業アルバムまで…

ナチス

………この楽譜、
アイツらしくなく綺麗だな

日帝

この楽譜…、
イタ王のなんです

ナチス

――なんだと！？

ナチス

と、ということはそれが、
アイツの変化について
手がかりに…………

日帝

分かりません

ナチス

なんで持ってきた？？？

どうやらそのアイテム達、解明には役立たなさそうだ。

日帝

でも…聞いてみなければ。

日帝