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いろは
入学式早々 遅刻は絶対避けたい
なのに寝坊した
現在の時間8時19分 電車の発車時刻8時20分 私はまだ駅に着いたばっかり
ここはド田舎だから 電車は1時間に1本 乗れなかったら 完全に遅刻確定なのだ
いろは
改札を走り抜ける
いろは
ホームへの階段を駆け下りる
いろは
電車の扉が閉まりだす
いろは
走る
いろは
これ以上閉まったら
いろは
間に合わない…っ
いろは
だめだ、やってしまった
諦めて足を止める
パシッ グイッ
いろは
扉の僅かな隙間から 細い腕が伸びてきて 私の手首を掴んで 電車の中に引き入れた
頭のすぐ後ろで扉が閉まる
いろは
あまね
いろは
あまね
いろは
遅刻せず済みそうです、
ありがとう
あまね
いろは
あまね
サッと彼の手が離れる
見ると白くて 細長い指をしていて、 でもちょっと骨張っている とても綺麗な手をしていた
あまね
いろは
そこで初めて彼と目が合った サラッとした黒髪に キリッとクリっとした目 長い睫毛に整った鼻筋 うっすらピンク色の唇 硬そうな首 白い肌 細身なのに筋肉はありそうで その上 長身
いろは
あまね
いろは
あまね
笑いながら メガネをぐいっと押し上げる彼
いろは
あまね
いろは
あまね
顔がバレないようにかけてるの
いろは
あまね
ただのオシャレだよ
いろは
あまね
いろは
あまね
いろは
あまね
…ん、これ
いろは
あまね
いろは
あまね
持ってるからいい
こんな細い体に よく私の拳もありそうな大きさの おにぎり五個も入るな…
いろは
あまね
いろは
渋々おにぎりを受け取って スクールバッグの中に入れる
あまね
いろは
あまね
君と同じ制服着てるんだけど
いろは
あまね
いろは
あまね
私と同じ赤色のネクタイを （女子はリボン） ヒラヒラさせながら彼は言う 1年:赤色 2年:青色 3年:緑色
いろは
あまね
いろは
あまね
いろは
あまね
いろは
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作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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