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結城 拓実

思い出した

結城 拓実

…あの日の事故のこと

雨宮 風香

…!?

今泉 颯斗

……嘘…だろ…?

結城 拓実

ううん。本当

結城 拓実

ねえ、今まで黙ってたことってこれ?

結城 拓実

俺が昔、車に轢かれて記憶喪失になった

結城 拓実

それで俺がこのこと知ったらショック受けると思った

結城 拓実

違う?

雨宮 風香

ち、違う…!

今泉 颯斗

……いや、合ってるよ

雨宮 風香

は、颯斗!?

結城 拓実

…!!

結城 拓実

じゃあいつか言うって言ってたけど本当に言うつもりあったの?

今泉 颯斗

なかったよ

結城 拓実

…そう…、だったんだ…

雨宮 風香

颯斗、全部言うつもりなの?

今泉 颯斗

うん。思い出したならもう黙っておく意味もないでしょ

雨宮 風香

………っ

結城 拓実

颯斗。ありがと

結城 拓実

俺も全部話してほしいから

今泉 颯斗

うん。でもここで話しててまた太陽がさしたら危険だから

今泉 颯斗

明日学校で話す

結城 拓実

分かった。ありがと

翌日

空き教室

雨宮さんと俺が話していたら颯斗がやってきて

空き教室で話すことになった

結城 拓実

今までのこと全部教えてほしい

今泉 颯斗

うん。分かった

今泉 颯斗

包み隠さずに言う

今泉 颯斗

…拓実が事故に遭ったのは俺たちが5歳のとき

今泉 颯斗

車に轢かれて意識がなくなった…

雨宮 風香

………

今泉 颯斗

それで拓実が意識を取り戻したのが小学2年生のとき

今泉 颯斗

記憶はなかったよ…

今泉 颯斗

でもその後すぐに拓実は家の事情で引っ越した

今泉 颯斗

それから俺たちが会う機会はなくなったってわけ

今泉 颯斗

で、中学のときにまたこっちに来たんでしょ?

結城 拓実

うん、そうだよ

今泉 颯斗

ギリギリ学区が違って中学別になっちゃったけど

今泉 颯斗

でも本当によかったよ

今泉 颯斗

またこうやって出会えて

結城 拓実

うん…、それは本当にそうだよね…

結城 拓実

俺、昔に2人と過ごした記憶はほぼないんだ

今泉 颯斗

仕方ないよ

今泉 颯斗

だって医者からもきっと記憶が戻ることはないって言われてたんだよ?

今泉 颯斗

それでも少しでも記憶が戻ったことは奇跡でしょ

結城 拓実

…うん、そうだよね…!

結城 拓実

だけど俺、いつか2人のことも思い出したい!

今泉 颯斗

ありがとう

今泉 颯斗

でも無理はしないで

今泉 颯斗

気持ちだけでも充分だから

結城 拓実

うん!でも頑張ってみる

ところで雨宮さんがずっと何も話さないのは何故だろう

少し様子が変というか…

結城 拓実

今泉 颯斗

拓実?どうかした?

結城 拓実

あ、いや。何でもないよ

今泉 颯斗

じゃあそろそろ戻ろうか

結城 拓実

うん

雨宮 風香

少しだけ颯斗と話してもいい?

結城 拓実

わかった。先戻ってるね

雨宮 風香

ありがと

今泉 颯斗

風香、どうしたの?

雨宮 風香

雨宮 風香

…ありがとう

今泉 颯斗

え?何が?

雨宮 風香

あのこと言わないでいてくれて

今泉 颯斗

…事故の原因?

雨宮 風香

…うん

今泉 颯斗

まだ気にしてるの?

雨宮 風香

…忘れられるわけないじゃん!!

雨宮 風香

拓実は私のせいで轢かれたんだよ!?

今泉 颯斗

…風香のせいじゃない

雨宮 風香

雨宮 風香

だけど私にだって責任がある…!!

今泉 颯斗

そんなことないから

今泉 颯斗

もう気にしないでいいよ

雨宮 風香

…でも…

今泉 颯斗

でも良かったじゃんか

今泉 颯斗

また戻れたんだから

雨宮 風香

…うん…

雨宮 風香

だけど私には拓実といる資格なんてあるのかな…

今泉 颯斗

あるよ

今泉 颯斗

だって拓実だって風香と一緒にいたいはず

今泉 颯斗

だったら好きな人の望みを叶えてあげなよ

雨宮 風香

雨宮 風香

本当にそれが拓実の望みなのかな…

今泉 颯斗

うん。だって拓実が風香といるとき、嫌そうに見える?

雨宮 風香

いや、それは見えないけど…

今泉 颯斗

でしょ?

今泉 颯斗

なんなら楽しそうだよ

今泉 颯斗

今度好きな人聞き出そうか?

雨宮 風香

……いや、それはやめて

今泉 颯斗

…分かった

雨宮 風香

…流石に私は拓実の彼女になるのはいけないと思うし

雨宮 風香

拓実は私に好意はないでしょ…

今泉 颯斗

どうして?

雨宮 風香

だって拓実の脳内では私と出会ってまだ半年も経ってない

今泉 颯斗

それは時間の問題じゃないんじゃない?

雨宮 風香

…どちらにせよ、私には拓実と付き合う資格なんかない

雨宮 風香

それに私、拓実にこのこと言う自信がないの

雨宮 風香

拓実が…、私を庇って事故に遭ったってこと…っ

11年前

遊んできた帰りだった

お母さんたちが後ろから歩いてくる

私たちはゲームのような感覚でお母さんたちから逃げるように小走りしていた

雨宮 風香

青だよー!!

雨宮 風香

わたろう!

そしてみんなで横断歩道を渡った

そこに右から青い車が信号無視をして走ってきた

そのとき、私が1番右を歩いていたのだ

しかし、隣にいた拓実が私を庇った

結城 拓実

危ない!!!

ドンっ!!

不思議な感覚だった

悲しくてビックリして…、怖かった

だから血だらけになった拓実を目の前にして

ただただ見ていることしか出来なかった

その後お母さんたちが後ろから来て救急車を呼んでくれた

その時、私の病気が発症した

色素性乾皮症だ

私の色素性乾皮症はあまり重いものではなく

少し対策をすれば太陽のもとで歩けるほどだ

だがこのとき、私は今まで知らなかった恐怖を感じた

その恐怖の矛先は太陽だ

あの光、あの痛み、あの圧迫感

太陽の全てが怖くなった

この日から私は太陽のもとで歩けなくなったのだ

それが

日光恐怖症の原因だ

今泉 颯斗

俺だって後悔してるよ

雨宮 風香

え?

今泉 颯斗

あの時、どうして俺は風香のこと庇えなかったのかって

今泉 颯斗

ただただ怖くなって足は動かなかった

今泉 颯斗

拓実は本当にすごいと思う

雨宮 風香

雨宮 風香

そうだよね…

今泉 颯斗

風香が拓実のこと好きになった理由って自分のこと庇ってくれたから?

雨宮 風香

…!!

雨宮 風香

…うん、そうだよ…

今泉 颯斗

そっか…

今泉 颯斗

だったら俺が拓実に敵うはずもないか!

雨宮 風香

え?

今泉 颯斗

…俺、まだ風香のこと好きなんだ

今泉 颯斗

ホントおかしいよね

今泉 颯斗

今となっても諦め切れないとかさ

雨宮 風香

今泉 颯斗

風香が振り向いてくれるはずないって知ってるのに…

今泉 颯斗

「応援する」って言ったばかりなのに…

今泉 颯斗

結局口先だけだった…

雨宮 風香

今泉 颯斗

俺、風香が拓実と付き合うまでは諦めきれないかもしれない

何て言ってあげるべきだろう

言葉が見つからない

今泉 颯斗

まだ俺は風香に告白しないし、出来ないよ

今泉 颯斗

だけどいつか3回目の告白するから

この作品はいかがでしたか?

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コメント

5

ユーザー

そろそろクライマックスかな!? めちゃめちゃ楽しみだよぉ❤❤ 不思議が盛りだくさん!!!

ユーザー

昨日は投稿出来なくてすみません‼︎ 今日から連載の毎日投稿ができなくなると思います💦 3日に一回くらいになると思いますがよろしくお願いします‼︎

ユーザー

すごい、!

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