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美華(みか)
ふぅん…
まぁいいか、興味無いし
先生
先生
美華(みか)
そういえば俺の隣、空きだったな…
自然に、さり気なく…
莉犬
莉犬
美華(みか)
彼女は他の女の子と違っていた。
少なくとも俺の知っている女の子じゃない
純粋無垢で何も知らない
曇り1つない真っ直ぐな瞳
初めて見た
裏が無さそうな人
だからといって
どうとも思わないけど
それからも彼女とはあまり関わりは無かった
彼女はクラスの中ではかなり地味なタイプだった
でも、クラスメイトと仲良くしていた
委員会に積極的な立候補
真面目で成績もよく
運動神経も抜群
コミュニケーション能力が高く
話し上手の聞き上手
おまけに誰に対しても愛想が良く
男子に媚びを売るわけでも
女子を敵対視するわけでもない
彼女は誰にでも優しかった
相手が誰であっても
彼女は優しく穏やかなままだった
でも、どうせ表だけだ
きっと彼女にも裏がある
そう思っていた
あの時までは
俺と彼女が関わり始めたのは
二学期の中盤に差し掛かった頃だった
その日は土砂降りの大雨だった
俺は補習で居残りだった
補習が終わり帰ろうと靴箱に行くと
彼女が居た
どうやら傘を持っていないらしい
別に無視しても良いんだけど
ここで風邪を引かれても寝覚めが悪い
そう思った俺は彼女に声を掛けた
ところが彼女は病院に行きたいと言った
どうせなら送ると言い
彼女の言う○○病院に向かった
○○病院には彼女の叔父が入院しているらしい
気になって聞いてみたら色々話してくれた
その叔父さんは14歳で両親を亡くし
当時、結婚していた姉夫婦に
随分とお世話になったそうだ
彼女の叔父の話だから
彼女も本当かどうかは分からないらしいけど
そして、高校を卒業し
大学生として生活をしていたある日
姉夫婦が事故で亡くなったそうだ
1歳2ヶ月の彼女を残して…
その後叔父さんは
大学を中退し
彼女を引き取り
男手1つで育ててくれたらしい。
彼女が物心ついた時から見ていたのは
父親ではなく叔父だったと言う
当たり前だけど
両親の顔は全く覚えていないらしい
今は病気で入院しているけれど
退院したら
フレンチトーストを作って
お祝いをすると言っていた
そんな彼女を見て確信できた
彼女には裏も表もない
彼女は裏表のない
ただただ優しい1人の女の子だった
この日が
彼女と過ごすようになったきっかけだった