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可愛シエル
シエルの言葉にそれまで集中状態… いわゆるゾーンに入っていた蒼空は 我に帰る。
可愛シエル
冴内蒼空
可愛シエル
冴内蒼空
可愛シエル
シエルは返事も聞かず 上履きを下駄箱にしまうと歩き出した。
蒼空は慌ててシエルの後を追った。
テクテク
トコトコ
大多数の生徒たちが向かう方とは 反対方面に二人は歩いていく。
会話はない。
隣に並ぶことも出来ず、 蒼空はシエルの一歩後ろを 歩いて追いかける。
シエルの歩くスピードは 意外と早く 蒼空は置いていかれないよう 早歩きになった。
可愛シエル
ずっと無言で歩いていたシエルが 初めて蒼空を振り返ると 小道の脇のレトロな扉を指差した。
着いたのは学校から徒歩数分の 落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。
二人以外、客はお年寄りばかりだ。
店員に奥の席に案内されると シエルはリラックスしたように 席に座った。
ここはシエルが家族とも来る 馴染みの店だった。
一方、 こんな風に落ち着いた喫茶店に 来る機会なんて無かった 蒼空は落ち着かない。
キョロキョロ店内を見回しながらも シエルに倣い席に着いた。
店員
可愛シエル
可愛シエル
冴内蒼空
冴内蒼空
蒼空は顔を真っ赤にして俯く。
冴内蒼空
冴内蒼空
冴内蒼空
可愛シエル
シエルは黙り混む蒼空の目の前に 手を伸ばしピラピラと振った。
蒼空の意識が戻る。
冴内蒼空
店員
可愛シエル
冴内蒼空
可愛シエル
無表情のままだが 話し掛けられた時のことを 覚えているらしいシエルは 淡々と冗談を言う。
冴内蒼空
可愛シエル
可愛シエル
蒼空は先ほど消しただけの画面を すぐに付けたスマホを シエルに向かって差し出す。
冴内蒼空
シエルは躊躇なくスマホを受け取ると まじまじと画面を覗く。
他人に作った服を見せることすら 初めての蒼空は 息をすることすら忘れて シエルの表情をじっと見つめる。
そこに店員が飲み物を運んできた。
店員
冴内蒼空
蒼空はぎこちなく頭を下げた。
一方シエルは目の前に置かれた クリームたっぷりの キャラメルロイヤルミルクティー には目もくれない。
蒼空は緊張で乾いた喉を アイスティーで潤そうと思ったが シエルが口を開いたので叶わなかった。
可愛シエル
冴内蒼空
今まで、作ってきた衣装を写真に 撮っては慣れない操作で何とか フォルダにまとめておいたのだ。
シエルはその返事を聞くと 画面を人差し指で撫でるように スライドする。
可愛シエル
冴内蒼空
冴内蒼空
冴内蒼空
蒼空はその場で頭を下げた。
可愛シエル
シエルは一瞬蒼空に目を向けるが すぐにスマホに視線を戻した。
冴内蒼空
冴内蒼空
冴内蒼空
ハハッと乾いた笑いを挟んで 続けようとした言葉は シエルに寄って遮られた。
可愛シエル
可愛シエル
可愛シエル
可愛シエル
可愛シエル
可愛シエル
可愛シエル
言葉を探すようにして話すと 蒼空にスマホを差し出した。
蒼空はおずおずとそれを受け取る。
可愛シエル
シエルはそれを言うと クリームも半分ほど溶けた キャラメルロイヤルミルクティーに やっと口を付けた。
冴内蒼空
そんなシエルを見つめながら 蒼空は間抜けな声を 出すことしか出来なかった。