2人目の運命の人 ー連載打ち切りー

俺は中原中也

俺はある日、

とある奴に一目惚れをした

こんな事は初めてだった

綺麗な黒髪で

横髪に少し白が混ざったような

きれいな髪の奴だ

”其奴”は昨日

廊下で会った

友達に取られた帽子を取り返そうとしていたら

”其奴”とぶつかった

”其奴”は倒れた

貧弱な奴だった

手を一応出したが彼奴は自分で立った

生意気な野郎だと思った

”其奴”とはそこで別れた

だがまた、帰る時に会った

校門で

だから話しかけた

”其奴”の事を少しでも知りたかった

”其奴”は嫌そうな顔をしていた

だが、俺の質問には答えてくれた

そういえば、下の名前……

教えてくれなかったな…

”彼奴”みたいだな

そんなこんなで俺は今日

次こそ絶対に名前を聞き出してやる！

確か彼奴は2年1組…

教室に入ろうとしたら

丁度”其奴”がでてきた

”其奴”は無言で出ていこうとした

だから腕を掴んだ

呆れたように此方を見る”其奴”は

何処か、『闇』の雰囲気を感じさせた

ため息をした

それっきり何も言わないから

取り敢えず屋上に連れて行った

ｶﾞﾁｬﾝｯ

屋上の扉は意外に重いものだ

素直に着いてきたから

少し可愛いと思った

否、結構可愛かった

矢張り”此奴”の話し方はぎこちない

そう言ったが”此奴”は無言だった

暫く、無言の時間が続いた

その無言を断ち切ったのは

俺ではなく

”此奴”だった

此奴から話しかけてくれた事が

嬉しくてつい反動で言ってしまった

や、やつがれ…？

一人称が「やつがれ」なのが面白くて少し笑った

少し頬を赤らめる芥川

ムッとした顔で此方を見る芥川