大 好 き な 君 / 先 輩 と 過 ご し た 一 年 間 。
4月__.
桜舞う4月の体育館、高鳴る胸を弾ませながら
僕らは沢山の先輩方と出会った。
その中、一際目立つ赤髪。
生徒会メンバー挨拶__、なんて先生から声が掛かり
その赤髪の人も登壇して行った。
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
新入生全員が緊張した面持ちで門をくぐった今日。
入学初日で多少不安もある中、こんな先輩なら大丈夫かな、なんて少しばかり思えた。
偶然親友とクラスが一緒になってるんるんで歩いていた時、
突然後ろから声を掛けられた。
赤_Liu
振り向くとそこに居たのは、体育館で目が離せなかった赤髪の先輩。
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
初対面なのに、なんだか凄く安心する声。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
春の風が桜の花弁を舞わせる中、僕は先輩に一瞬で心を奪われた。
__あれが最初だった。
廊下の端で、何だか可愛い効果音が付きそうな歩き方をしていた君を見つけた時、
気が付いたら声を掛けていた。
赤_Liu
水色髪が陽に透けて、柔らかな光を宿している。
真っ直ぐな瞳。嬉しい事があった子供みたいな無邪気な顔。
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
案内なんて、君の前では建前に過ぎなかった。
少しでも、無邪気な君の側に居たかったから。
水_Hto
敬語…、仲良くなりたいから敬語じゃなくてい ~ んだけどなぁ……。
赤_Liu
赤_Liu
ふわっと微笑んだ後、君は名を名乗ってくれた。
水_Hto
稲荷水。これが俺の、初恋の相手。
赤_Liu
恋とは言っても、所詮初対面な君と俺。
相手からすればただ親切な上級生として、名前も顔を直ぐ忘れられる筈だった。
赤_Liu
入学式から2ヶ月。
俺は君に会った後、君の姿を無意識に目で追っていた。
廊下で見かけた時。
体育館の別コートで部活をしている時。
これはまた別の感情になるけど、偶然移動教室で下学年の教室の前を通った時のこと。
君は友達と楽しそうに話をしていた。
"微笑ましい"なんて思っては、"俺も話したい"なんて気持ちが強く出てくる。
その度に胸が妙に騒ついて、相手から見向きもされていない俺を惨めに思った。
俺なんて、忘れられる存在の筈なのに。
水_Hto
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赤_Liu
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
君は、俺の事を覚えていてくれた。
名前もその日あった些細な出来事まで。
水_Hto
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
また。
他人からは当たり前、というか
何の変哲もない言葉が俺には特別なものに聞こえた。
出会って2ヶ月しか経っていないのに好きで仕方がない。
___まるで呪いみたいに。
入学して3ヶ月経ったある日、生徒会の仕事で忙しそうな先輩を見つけた。
水_Hto
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赤_Liu
先輩は微笑んで僕の名前を呼んでくれた。
それだけなのに、心が跳ねる。
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
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赤_Liu
目を細めて小さく笑いながらも、
赤_Liu
赤_Liu
なんて教えてくれた。
その日から毎日メロンパンを買うようになったのは、言うまでもない。
赤_Liu
赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
赤_Liu
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赤_Liu
そう言って笑う先輩の横顔を見て思う。
先輩みたいな人になれたら、楽しい高校生活になるんだろうな。
なんて。
7月__.
体育祭の日、校庭の片隅に先輩を見つけた。
応援団長の仕事を終えて、後輩達を応援している。
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
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赤_Liu
軽く言われた言葉のはずだった。
なのに、心は跳ねて一向に落ち着かない。
水_Hto
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そんな事を考えている内に、もうレース開始直前。
レースが始まり、僕は必死に走る。
そしてゴールしか瞬間、先輩が駆け寄ってきた。
赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
赤_Liu
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笑顔で差し出されたスポーツドリンク。
それを受け取る僕の手が少し震えていた。
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3学年のクラス対抗リレー。
体育祭ならではの殺伐とした空気の中、俺はバトンが回ってくるのを待っていた。
そしてバトンが回ってきて勝負が決まるアンカー。
現在の順位は2位。
1位は陸上部のエース、差は一向に縮まらない。
そしてラストのコーナー、もう心には諦めの心が宿り始めていた。
その時__….
水_Hto
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赤_Liu
俺の想いの人が、俺の事を応援してくれていた。
好きな人の前ではかっこよくいたい。
そんな想いの元全力で走った結果、僅か1秒差で1位を掴み取ることが出来た。
紛れもなく高校生活で1番全力を尽くした一瞬だった。
水_Hto
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__真っ直ぐで眩しい。
そんな君を、今直ぐにでも抱きしめたかった。
赤_Liu
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水_Hto
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赤_Liu
水は持っていたタオルで俺の汗を拭ってくれた。
嬉しい筈なのに、何故か心が痛む。
赤_Liu
水_Hto
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__ど ~ してそんな顔をするの。
ど ~ してそんな優しい微笑みで、俺を見つめるの。
もっと好きになっちゃうじゃん。
水_Hto
そう言って目を逸らした君の頬が、ほんのり赤くなっているように見えた。
勘違いかもしれない。
でもそれで良かった。
その勘違いだけでも、心臓が痛くなるくらい嬉しかったから。
10月__.
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赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
文化祭前日の日、思い切って誘ったらあっさり頷いてくれた。
赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
赤_Liu
先輩と並んで歩く文化祭の廊下。
周囲から「仲良いね」だったり、
「お似合いじゃん‼︎」何て言われたけど、僕は上手く返せなかった。
水_Hto
赤_Liu
文化祭が終わった3日後、
後輩と一緒に片付けをしている時だった。
水_Hto
赤_Liu
彼の表情が、時折曇っているように見える。
でもその他は、いつも通りの君だった。
水_Hto
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赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
いつも素直で、真っ直ぐな君が、それ以上何も言わなかった。
「秘密」。俺も使った言葉だけれど、
水が放った秘密という言葉は、何処となく胸が痛かった。
きっと、誰か想いを寄せている人がいるんだろう。
俺じゃない、俺より一層良い人に。
暫く、その事で作業が手に付かなかった。
だけど口には出さない。
いや、出せないの間違いだろうか。
周りにどう批判されるかより、君に嫌われる事が1番怖かった。
彼の隣に居られるのなら、友達でいい。
ど ~ せ大学に行くのに離れ離れになるんだ。
「先輩」で居られるだけで、本当に十分だ。
……そう、心の中で思い込もうとしていた。
3月__.
水_Hto
放課後の中庭。
春の風が吹き抜けて、満開の桜の花弁も、風に誘われて舞っている。
赤_Liu
彼が差し出した花束と、クラス全員で書いたであろう色紙を受け取る。
水_Hto
赤_Liu
赤_Liu
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赤_Liu
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真っ直ぐな瞳が俺を見つめている。
何かを訴えかけるかのように。
赤_Liu
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赤_Liu
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赤_Liu
__言ってしまった。
伝えてしまった。
もう、後戻りは出来ない。
水_Hto
赤_Liu
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赤_Liu
違う。
それは「後輩」としての好意。
それは「恋人」には届かない。
水_Hto
赤_Liu
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赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
ここの高校は学ランじゃない為、第二ボタンを贈る文化はない。
その代わりに、好きな子にはネクタイをあげる風習がある。
学年毎に、色が違うネクタイ。
赤_Liu
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赤_Liu
赤_Liu
赤_Liu
水_Hto
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赤_Liu
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赤_Liu
大粒の涙を流しながら、君は背を向けた。
遠ざかっていく背中を、俺はただ見つめる事しか出来ない。
手を伸ばせば、きっと届いたはずなのに。
__それでも、伸ばす事は出来なかった。
赤_Liu
約2年後、君はまだ俺を好きで居てくれるだろうか。
微かな願いだけど、これだけは願わせてよね。
離れ離れになったとしても、俺は君の事が大好きで大好きで仕方がなくて、
ど ~ せ忘れる事が出来ないのだから。
…もし、俺の事を好きで居てくれたのなら、絶対に会おう。
あの一本杉を待ち合わせ場所にして_.
リクエストの休憩がてらに思い付いたのをぱぱぱっと書かせていただきました…‼︎ リクエストもうちょいだけ待っててください…😭🙏
コメント
10件
ムズムズする終わり方だ…! もう、絶対付き合って?? なんなら結婚してくれ?? もう強制的にくっつけちゃうっ……!(´థ౪థ) 今日もめためた最高んぬ(๑´ロ`๑)~♪❤️
ぅぅわ…… 絶対爆誕するじゃんっ……(何がとは言わんけど) 休憩がてらにかけるレベルじゃなくて草w(凄すぎやん……っ