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吉田おいちゃん
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D a i ©
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分かってるつもりだった。
りうちゃんが弱いこと、
怒鳴っても意味の無いこと、
ないちゃんが、
ODだけで留まらずリスカしていること。
ほとけ
そっと、傷の付いた左手に触れる。
暗い赤が滲んだ包帯と、 日焼けしていない白い肌が 太陽に照らされる。
ほとけ
そんな呑気なこと 言ってる暇無いだろうに。
鳥の声と風に耳を澄ますと、
軽いような、でも少し、 テンポの悪い足音が響いて聞こえる。
そっとパーカーの服袖を下ろし、 周りに見えるビルを眺める。
近づく足音に不安を感じながら。
悠佑
「俺もちょっと出てくる。」 そう一言残して、 答えも聞かずに部屋を出て来た。
りうらを怒鳴り始めたのは俺だ。 彼のストレスのほとんどは 俺のせいだろう。
…なんでそんなに 怒鳴る必要があるの。
何度ないこやまろに 言われた事だろうか。
そんなの、俺だって 怒鳴るなんてしたくなかった。
でも。ODで記憶のないであろう、 ないこに殴られたから。
そんな事りうらに されたく無かったから。
りうらを頭ごなしに怒鳴るだけで、 話を聞こうとなんてしなかった。
悠佑
ガラス張りの壁にそっと手を伸ばす。
このガラスを割れたなら どれだけ楽だろうか。
この下は人通りの少ないレンガ道。
今の俺にはもってこいの条件だ。
…なんて、そんなこと言ったらきっと、 まろは止めてくれるだろう。
りうらは…何も言ってくれない かもしれないけど……ッ
りうら
悠佑
悠佑
りうら
悠佑
瞳を揺らし、 震えた手をこちらに伸ばす彼。
あんなことをした俺にさえ、 優しさを見せてくれるなんて。
ほんとに……なんてことを してしまったのだろうか。
悠佑
りうら
りうら
りうら
悠佑
違う…、
そんな素直に 辞められるものじゃない。
そんなの分かってるじゃんか。
悠佑
悠佑
りうら
りうら
そばにいる資格。 こんな俺にもあるのだろうか。
居れることなら。 12時間でも、24時間でも そばに居たい。
りうら
悠佑
悠佑
止まらない涙を拭う暇なく、 痩せ細った彼の体を きゅっと抱きしめる。
あにき痛いよ〜、wと言う 彼のふわっとした声で また涙腺が緩む。
ないこ
ほとけ
不気味な足音が正体を現したみたい。
派手なピンクのはずなのに、 どこかくすんで見える彼の瞳。
右腕には血の滲んだ包帯が 顔を覗かせている。
ほとけ
見えてるよって教えると、 慌てて袖を引っ張った。
ほとけ
ないこ
ないこ
ほとけ
バレてたんだ…
誰も気付いてないと思ってたのに。
痛む左腕の服袖を そっと持ち上げる。
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
光に照らされる僕らの包帯が さっきより少し、緩くなった事も 気にせず冗談を言い合う。
普段引きこもっているからか、 太陽の白い光は 包帯に滲む血液よりも痛く感じる。
そう思っていたのは 僕だけでは無かったようだ。
ないこ
ほとけ
ないこ
またパーカーの袖を降ろし、 暗く映る室内へと向かう。
ほとけ
なんて二人共 分かってるはずなんだ。 きっとね。
ないこ
うそ。彼は辞めようとは 思ってないみたい。
開いた間と、薄い笑い声が、 彼の言葉を濁す。
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
なんて、薄っぺらい会話を しながらゆっくり会議室へ向かう。
その間も彼は、 愛想笑いを続けた。
バレて居ないつもりなのだろうか。
メンバーに対する勘は鋭い癖に、 自分の事になると鈍いんだから…。
いふ
下を向いたままの彼に話しかける。
もちろん。 彼が辛かったことも 分かっているつもりだから。
初兎
いふ
本音ぶつけるために 外へ出た事は100承知している。
だが、それを伝えてしまうと 彼が強ばるんじゃないかって、 少し、いや…凄く、 不安になってしまったのだ。
でも彼とは本音で話し合いたい。
出来れば今のうちに。
いふ
いふ
初兎
いふ
いふ
初兎
いふ
いふ
初兎
一方的に話しすぎたかな… なんて少し反省していると。 俯いた彼が小さく口を開いた。
初兎
いふ
初兎
いふ
初耳だった。 そんな話聞いた 覚えはどこにも無い。
ないこは知ってた。
りうらもわかってた。
でも初兎は知らなかった。
気付けなかった。
りうらの事で余計、 辛い思いをさせた…っ
いふ
初兎
いふ
初兎
初兎
初兎
ぁあ、だめだ。
良い言い訳がひとつも浮かばない。
急に泣き出した彼を 落ち着かせなきゃ行けないのに。
僕が昔ODをしていたのも、 りうらより軽傷だったのも事実である。
それを支えてくれていたのが、 ないちゃんだというのも。
ゆっくりでいい。 ちょっとずつ減らしていこう。
そう優しく声をかけてくれていた。
なのに。
なのに僕は、
彼に腕を振ってしまった。
初兎
こんな思いして欲しくない。
グループ脱退しろと言われても 文句1つ言えない事をした。
なのに僕は今ここに居る。
ここで歌い手をしている。
その事実に胸を締め付けられ、 今ではすっかり、
リーダーと目を合わせられない。
重症だ。
グループのリーダーと、 事務所の代表と、 目が合わせられないタレントが 居たものだろうか。
いるわけが無い。
居ていいはずがない。
ぁ、そうか、自分から辞めると 言うのを待っているのか。
僕が反論してくる 可能性があるから。
なんで…気付けなかったかな…、
初兎
初兎
ガチャッ
ないこ
ないこ
僕が辞めると言いかけた時。
会議室のドアが開いた。
顔を見せたのはリーダー、
と、相方だった。
初兎
なんの緊張か、 言葉を発するどころか、 声にすることさえ 苦しくなっていた。
ないこ
ないこ
違う…違うわかんないよ…、!
僕がなにかした訳じゃないッ! 泣かせたつもりなんて無い!
なんで泣いてるのかすら 分かんないんだよ!!
初兎
ほとけ
パチンッ
ほとけ
初兎
やばい。やばいやばいやばい。
俺を落ち着かせようと 伸ばしてくれたであろう手を 振り払ってしまった。
責められる。
今度こそ辞めろと言われる。
初兎
ないこ
ぁあごめんなさいごめんなさい。
本当は、本当は辞めたくないんですッ…。
まだここで歌いたいッ…。
ないこ
初兎
正面から抱きしめられた。 僕の顔を埋めるように。
それを理解するまで 少しのラグが生じた。
泣きじゃくっていたいふくんを 連れて隣の部屋に駆け込んだ。
あそこに4人は危険だと 判断したからだ。
ほとけ
質問から17秒。 互いの口が開かない中、 時計の針と彼が鼻をすする音だけが 聞こえる。
ほとけ
いふ
ほとけ
痺れを切らして 話しかけようとしたところ、 やっと話してくれそうになった。
いふ
ほとけ
知らなかった。
僕だって気付いていなかった。
あんなに近くに居たのに。
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
強い事を言った自覚はある。
ただ、彼はこれを 理解しているはずだ。
いふ
ほとけ
彼の涙はあっさり引いた。
なにか言葉が欲しかっただけ だったのかもしれない。
そりゃそうだ。 泣いてるとき勝手に涙が 止まってくれたら楽に 越したことはない。
でもそうじゃないじゃないか。
誰だって言葉一つで 立ち直りも壊れもするんだ。
初兎
なんで泣いてる? またODしてた? 誰かと何かあった?
分かんない分かんない。 気づかなかった何も。 りうらのことばっかりだった。
ないこ
初兎
ないこ
じゃあなんだ。 やっぱり何かあったのか。
なにかってなんだ。 範囲が広すぎる。
初兎
初兎
ないこ
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
終われませんでした🙇🏻♀️🙇🏻♀️ まじで申し訳ない。 早めに続き書きますから…。 遅くとも今年中には投稿しますから…()
コメント
1件
うわ…2話、めちゃくちゃ重いし切ないですね。それぞれが抱えてるものの大きさに胸がぎゅっとなりました。特にないこがほとけの左腕を見て「馬鹿だなぁ…」って言うシーン、お互い傷を隠してるのに気付いてて、それでも冗談言い合える関係性がじんわりきました。初兎が辞めようとしたところを止められて、抱きしめられる場面もグッと来ましたね。続きが気になります…!