コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
寒いからだろう、マイキーは暖を取る為に俺にくっ付いてくる。歩きにくいし単純に邪魔臭い。 俺は冷えたアイツの体を温めてやろうなんて優しい事は考えず、退け とマイキーを押し退けて冷たい一言を放った
絶賛かるた中。 真一郎が感情を込めて読み上げていたのは読み札、マイキーが獲得した札は取り札だ。 せっかくなら最後の決めゼリフまでカッコつけて読んで欲しかったな、なんて思ってる自分が居る。
けらけらと楽しそうに笑う三人の声がよく響いている。以前と比べれば何百倍も楽に暮らせるようになった俺の毎日、これがずっと続けば報われるのかもって少しづつ期待してしまう。 周りにいるコイツらの事を信じてみるのもアリという訳だろう。
エマは元気な声で俺の名前を呼んでは目の前にちょっぴりお洒落な皿を置く。それには綺麗な色と形をしたプリンが乗せられていて、思わず食欲が湧き頭の中が「美味そう」で埋め尽くされた。
はい!これ!と付け加えでスプーンを渡された。 俺は素直に受け取ってありがとうと礼を言い、プリンを数秒見詰めて一言放つ。
俺の発言にエマは驚いた様子で硬直していた。俺が誰かに期待する事がそんなに変なのか?俺もまだ子供。自分の為なのかなと思えば嬉しくなるのも普通、要は上げて下げられた気分。 でもすぐにどうでも良くなった。これよりも大きな期待を裏切られた事は何度もある、だからこれは対した事ではないから
俺は後悔した。 なんで自室の扉を閉めておかなかったのかと。 マイキーは平然と俺の部屋に入ってくるから扉に 「ノックしろ」と書いた紙を貼っているのだ。 既に部屋に入られたので当然効果は無い。
一通の手紙を渡された。 兄貴へ、と少しばかり丸みを帯びた汚い文字で宛先が書かれている。
渋々封筒を開け、1枚の手紙を取り出し開いては目を通す。
『兄貴へ おれんちに来てから笑顔が増えたな。今までおれが見てない所でニコニコしてたのかもしれないけど、おれの前で笑ってくれるイざナが好きなんだ!心許してもらってる気がしてうれしくなるし、家族なんだなってあったかい気持ちになる。これはお前におくるお前だけの手紙だ!大事にしてくれよ?弟からのプレゼントなんだからさ! まんじろうより』
そう言葉を放った後マイキーはすぐに部屋を出て行った。 その背中はどこか寂しげに見えたがそんなのはどうでもいい。俺は手紙を破って捨て、部屋のベットに寝転がる。マイキーはあの手紙を何の為に書いたのか、何故簡単な漢字が書けないのか……色々と疑問を持って考えている内にいつの間にか寝落ちした。
正直訳が分からなかったけど、兎に角ダラダラしてる暇はないんだろうなって事はすぐに分かった。