黒猫〇〇
……は?
手足には重たい足枷。
動かすとジャラリと金属が擦れる音が鳴った。
太宰治
お早う、二日酔いは大丈夫かい?
黒猫〇〇
此処は何処…?何で太宰が…?
太宰治
流石の君でも困惑するか
早朝なのか薄暗い。敷布団の上に座る私に
太宰は微笑んだ。
太宰治
君は危機感が無さ過ぎて心配だよ
太宰治
まあでも此処に居れば他の男との心配は要らないし、
太宰治
私がずっと守るから安心し給え
黒猫〇〇
一寸…何の話し、?
太宰治
私はずっと前から君の事が好きだったんだよ
太宰治
でも君は全然振り向いてくれないし、
太宰治
おまけにはあの蛞蝓とも仲良くする始末だ
太宰治
其れでも大好きな君を縛るのも可哀想だと思って、
太宰治
此の気持ちに蓋をしてきた
太宰治
でも織田作の件で確信した
太宰治
私の手の上に置いておかないと、君も何処かに行ってしまうとね
黒猫〇〇
何処かに行ったのは太宰の方じゃない!
黒猫〇〇
私を置いて一人ポートマフィアを抜けて…
黒猫〇〇
私は此の四年間ずっと……
太宰治
ごめんね
太宰治
でも之からはずっと一緒だから
違う、私はこんなの求めてない。
私はただ太宰と普通の友達でいたくて…
黒猫〇〇
お願い此処から出して
黒猫〇〇
別に私は何処にも行かないし、
黒猫〇〇
会いたいなら成る可く会うようにする
黒猫〇〇
太宰の気持ちには答えられないけど之からも友達で…
太宰治
何処にも行かないなんて確信は無い
太宰治
例え毎日会っても、仕事中も君を監視出来るわけじゃない
太宰治
出来たとして、君に何かあった時、直ぐに駆け付けられるとは限らない
太宰治
私の気持ちに君が応えられないのは判ってる
太宰治
其れなら之から堕としていけば良い
黒猫〇〇
そんな…そんなの可笑しいよ!
太宰治
可笑しくても良いんだ
太宰治
……可笑しくても、非常識的でも、
太宰治
君を傍に居させる為なら何でもする
太宰はそう云って口角を上げたけど、
目は笑っていなかった。