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君とはじめて会ったのは
人気の少ない橋の上だった
結衣
雪斗
雪斗
結衣
その日はとても雪が降っていて、
とても寒かった
雪斗
ぼくはただ心配で声をかけた
結衣
結衣
雪斗
雪斗
結衣
雪斗
結衣
雪斗
雪斗
それから度々会うようになった
雪斗
雪斗
結衣
雪斗
結衣
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
君と出会ってからは
こんなくだらない会話でも
心から"楽しい"って思えるようになった
雪斗
結衣
結衣
雪斗
雪斗
ぼくが小学生になる少し前の頃
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
ぼくのおとーさんはビョーキで
家から少し離れた病院にいたから
なかなか会えなくて
よくおかーさんの携帯でテレビ電話で話してた
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
ぼくは辛いビョーキと戦いながらも
ぼくと元気な顔で話をしてくれるおとーさんがだいすきだった
今でもだいすきだ
ぼくが小学4年生のクリスマスの日
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗(小1)
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗のおとーさん
雪斗(小1)
クリスマスにはサンタコスをしてくれて
電話越しにいっしょにクリスマスパーティをした
おとーさんと電話をする時は
いつもぼくを楽しませようとしてくれて
とっても楽しかった
でも
おとーさんは電話越しに見る度に痩せ細っていった
次第にビデオ通話ではなく
音声通話にするようになった
おとーさんが少し声を出すのが精いっぱいになった
ぼくが一方的に話をして
おとーさんは細くて弱々しい声だが必ず相槌を打ってくれる
ぼくはそれがたまらなく嬉しかった
でもビョーキで弱っていってたおとーさんは
ぼくが中学3年だったクリスマスに
ピーーーーーー
雪斗(中3)
雪斗(中3)
雪斗(中3)
雪斗(中3)
いなくなってしまった
ぼくとおかーさんの手を握って逝った
ほんとうにだいすきだったんだ
雪斗のおかーさん
雪斗(中3)
おかーさんはおとーさんにハグをした後
ぼくをぎゅってして言ったんだ
雪斗のおかーさん
雪斗のおかーさん
雪斗のおかーさん
雪斗のおかーさん
雪斗(中3)
雪斗(中3)
ぼくはひたすら泣いた
段々冷たくなっていったおとーさんの手を離して
おかーさんを両手でぎゅっと抱いたんだ
雪斗(中3)
雪斗(中3)
ぼくは泣き疲れて眠ってしまったらしく
気づいた時には家にいた
ぼくは中学を卒業して
高校に入学した
ぼくは働くって言ったけど
おかーさんはぼくに
雪斗のおかーさん
と言ったから
ぼくは高校に行くことにした
2年後
おかーさんが死んだ
残業帰りにスピード違反の車にはねられて
即死だったらしい
雪斗
おかーさんが死んだ日は雪が降っていて
周りの音がよく聞こえない状況だったそうだ
雪斗
おとーさんが死んだ日も
雪が降っていた
だからぼくは雪が嫌いになった
そしておかーさんが死んで次の年の冬になった
あの日
雪が降っていたから
川に飛び込んで死んでやろうと思って
橋に行ったんだ
そしたらそこに
君がいた
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
雪斗
結衣
雪斗
結衣
結衣
結衣
結衣
わたしのおかーさんは
わたしを産んですぐに死んでしまった
だからわたしにおかーさんとの思い出はなくて
おかーさんがいないことを悲しむことは無かった
おとーさんはいつも仕事で家にいなくて
ずっとひとりだった
結衣(小3)
朝起きたらおとーさんはいなくて
わたしが眠っている頃に帰ってくる
((ガチャ
/ ただいまぁー \
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
知らない女の人
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
知らない女の人
知らない女の人
結衣のおとーさん
知らない女の人
知らない女の人
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
知らない女の人
知らない女の人
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
知らない女の人
結衣(小3)
わたしはおとーさんたちの声で起きてしまって
おとーさんが知らない女の人との行為を見てしまった
結衣(小3)
当時のわたしが知るには早すぎる世界で
わたしはひたすら寝たフリをした
そしていつの間にか眠っていて
起きたらもうおとーさんたちはいなかった
結衣(小3)
わたしはそのまま学校へ行った
次の日
おとーさんは久しぶりに休みが取れたらしく
わたしとたくさん遊んでくれた
でも
とちゅうで言い合いになっちゃって
結衣(小3)
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
結衣(小3)
結衣のおとーさん
結衣のおとーさん
「お前さえいなければ」
結衣(小3)
わたしはそこで気を失った
起きたら病院にいて
けーさつ
となりにはけーさつの人が座っていた
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
けーさつ
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
けーさつ
包丁を持って君のお父さんの胸を刺していたんだ
結衣(小3)
けーさつ
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
けーさつ
けーさつ
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
結衣(小3)
結衣(小3)
結衣(小3)
けーさつ
結衣(小3)
けーさつの人の話によると
わたしはおとーさんの胸を刺し、
泣きながらおとーさんの胸で眠っていて
そんなわたしをおとーさんは血を吐いて泣きながら
わたしをぎゅっと
抱きしめていたそうだ
結衣(小3)
結衣(小3)
結衣(小3)
けーさつ
けーさつ
当時わたしは
法に触れない年齢であったため、
罪に問われることは無かった
6年が経ち、
わたしは中学3年生になった
進路を考えなければならない時期だが、
おとーさんを殺してしまったことが学校に広まり、
いじめられるようになってから
わたしは学校に行かなくなってしまった
だから私は勉強を全くしていないし
働くのもめんどくさい
だからいっそのこと死んでやろうと思って
あの日
わたしは橋の上に立って
川を眺めていた
結衣
でも
後ろから声が聞こえてきて
振り向いたら
雪斗
あなたがいた
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
雪斗
それから時間はあっという間で
気づいた時には1年がたっていた
今日はぼくと君が出会った日で
ここは出会った場所
結衣
雪斗
結衣
雪斗
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
雪斗
結衣
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
雪斗
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
雪斗
結衣
結衣
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
雪斗
雪斗
グサッ
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
雪斗
雪斗
結衣
結衣
雪斗
雪斗
グサ
雪斗
結衣
結衣
結衣
雪斗
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
結衣
結衣
結衣
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
雪斗
結衣
ああ、、、
終わりが早い人生だった
でも
だいすきな君と死ねるなら本望だ
ぼくは幸せ者。
誰にも『不幸』だなんて言わせない
ぼくは今
最高に幸せだ
【完】