明日香
聞き間違いだろうか、 … 死んでください、だなんて
怜
怜
怜
そう言って彼は、震える私の手を取る 。
怜
怜
怜
防衛本能、なんていうものだろうか
震えたままの手を、彼の頬が真っ赤に染めていた
明日香
怜
そう言って、彼は自分の頬を愛おしそうに撫でていた。
今にも逃げ出してしまいたいが、脚に力が入らない
怜
待ってるからさ、なんて美しい顔を笑わせる
そこでようやく正気に戻ったのか、今までで1番早く、家への道に向かって走り出した
怜
そう言って静かに、確かに繋いだはずの手を眺めていた
4/7 朝
今日は柚とじゃなく、1人で登校して来た。
結局あれから、数住くんからのことばかり考えてしまっている
どうしてあんなことを言ったのか、そもそも告白自体嘘じゃないのかなんて
クラスメイトだし、と思ったフォローしたSNSも解除しておいた
数住くんのことがどうよりも、新学年早々に憂鬱な気持ちを抱えてしまうことが嫌だった
できる限り、やんわりとした自分なりの拒絶なのだ
美琴
ちょうど玄関を通ったところで、美琴と目が合う
私の中では少し気まずいが、美琴は昨日のことを知らない
美琴、おはよう と いつもの様に挨拶するつもりで手を振ろうとした
ただ、それよりも前に
美琴の掌が、私の頬を思いっきり叩いた
破裂音のようなパン、とした響きが綺麗に鳴る
美琴
周りがざわついている、叩かれた私も何が何だかわからなかった
美琴
絞り出した声だったのだろう、美琴の喉がきゅうと音を立てる
美琴、もう行こうなんて
周りの女の子たちが私のことを睨みながら、涙を流す美琴の背中をさする。
明日香
叩かれた私の頬は、ジンジンと針が刺さった様に痛い
困惑したままの私は、赤い頬を押さえながら
「 ああ、こんなに痛かったんだ 」
なんてどこか申し訳なくなりながらも 、 泣きながら階段を登る美琴の背中を
只、眺めることしかできなかった
それからの学校というものは、地獄でしかなかった
数住くんに、私が告白した
その嘘さえも、噂に塗れて すっかり私は 「 悪者 」 になってしまった
美琴のことを裏でいじめていた 、 なんて噂までも広がって
等の美琴は 、 今日もいつものメンバーとケラケラ笑っている
いつも羨ましいと眺めていた美貌も、醜悪さの塊にしか見えない自分を殺したくなった
柚とも、あれから話していない
数住くんは 、 「 悪女のことを罵ることもなく、皆に分け隔てなく接する王子 」 になった
吐くことが多くなった
前より容姿を気にしなくなった
前より、起きれなくなった
コメント
4件
リアルすぎて死にました、、、 続きを楽しみに待ってます😭
噂ってこわいよね
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! うんうん…そりゃあ分かる訳が無いよ… 好きだって言うだけで まともな理由を言ってないし… あら、そうなのね… それは本当に醜い人間共だね。 まぁ…それが人間だから仕方ないね… …でも、それら全て玲がやった気がする。 彼女と一緒に○ぬ為に できる限りの全ての手を尽くしそうだから って言うただの考察しかないんだけど… 次回も楽しみに待ってるね!!!!