青side
あの後僕たちは学校にいる気もなくなり、そのまま家に帰った
気分の悪さをかき消そうと冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを一気に体内に流し込んだ
それでもイライラが収まらなくてペットボトルを壁に投げつける
青
無意識のうちに上がっていた息を整える
青
青
ドンっと机を殴ると音を立ててヒビが入った
それを見つめるだけでなくも考えることができなくて
ふと床を見れば潰れかかったペットボトルから水がこぼれていた
青
無意味な涙を雑に拭って、僕は家を出た
青side
ピルルルル…ピルルルル…ピッ
青
黄
青
黄
青
切れて真っ暗になった画面を見つめる
ママ
真っ赤になられた唇が弧を描く
青
目の前にいるのは元殺し屋の天川 樹
今はバーで働いているオネェ 辞めた今でも色々な情報をくれる昔からお世話になっている人
ママ
青
ママ
ママ
青
ママ
適当に財布から金を取り出して店を後にした
青side
静まり返った深夜
時計の針が秒を刻む音と自分の呼吸音だけが響いた
窓辺に寄りかかってあの日のことを思い出す
青
キィィィ…
微かに扉が開く音が響いた
近づいてくる気配
開かれたリビングの扉から姿を見せたのは
赤
眠ったままの莉犬くん
トボトボとフラつきながらこっちに歩いてくる
ガタ、とテーブルにぶつかっても起きる気配はなく、フラフラと歩く莉犬くんをただ見つめた
青
名前を呼ぶと、ゆっくりと開かれた2色の瞳
僕を見つめる莉犬くんは、スッと僕に手を伸ばした
でもその手は僕に届くことはなく、身体ごと斜めに傾いた
完全に意識をなくした莉犬くんを倒れる前に支え、そのまま寝室へと運んだ
赤side
ただ暗い夢
それなのにとても怖くてたまらない
震えが止まらない
息ができない
赤
赤
赤
右手に違和感を感じて見てみればそこに居たのは眠っているころちゃんで、俺の手を握っていた
赤
ココロが痛い
もう嫌だ
その声は誰にも届かず消えていった
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