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わた
#ルイ豪
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ルイ
一度こぼれた名前は、呪文のように二人の間の空気を変えてしまった
「豪恩寺」と呼んでいた時にはあったはずの心の防壁が、一気に崩れ落ちる
ルイ
言い終える前に、背中のコンクリートに押し付けられるようにして、ルイの視界が豪恩寺の影で覆われた
逃がさない。そう言わんばかりに、豪恩寺の両手がルイの耳横に突かれる
いわゆる「壁ドン」の形だが、その瞳に宿る熱量は、いつものおふざけとは正反対だった
豪恩寺
低く、掠れた声が首筋を震わせる。 豪恩寺の顔が、ゆっくりと、確実に近づいてきた
ルイが呼吸を忘れるほどの間近で、二人の鼻先がかすかに触れ合う
ルイ
豪恩寺
「ハヤト」と訂正させるように、豪恩寺がルイの顎を細い指先でそっと持ち上げた
ルイの視線が、至近距離にある豪恩寺の、薄く開いた唇に吸い寄せられる
あと数センチ。 まつ毛が触れ合うほどの距離で、お互いの熱い吐息が混ざり合う
豪恩寺
ルイ
問いかけながらも、豪恩寺の目はもう答えを確信しているようだった
その言葉が許可の合図だと分かった瞬間、豪恩寺の瞳に深い光が宿り、影が完全に重なる――
あともう一呼吸で唇が触れる、その極限の瞬間。 遠くから授業開始を告げる予鈴が、無慈悲に屋上の静寂を切り裂いた