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翌朝
晨
廊下を歩いていると晃の姿が目に入る。また何か理由をつけて付き纏ってくるんだろう。面倒だな、嫌われてるって自覚がないのか。話しかけてきたら何を言ってやろう。そんなことを考えている間にも距離は縮まる。
しかし、晃は一言も交わさずに通り過ぎた。いつもの告白もあのキラキラした視線も向けずに、まるで元からこうだったとでも言うような顔をして。
晨
晃
掴んでから気づいた。こっちが引き止めている。おかしい。いつもと立場が逆だ。指先がぴくりと動いたが、離さなかった。
晨
晃
何か言おうとしていたようだが、周囲を気にしてかそのまま去ってしまった。
振り払われた手が宙に残る。睫毛の長い目だけがその背中を追った。
晨
壁にもたれ掛かり、ポケットに手を突っ込む。口元は無表情のまま。だが、視線は晃の後ろ姿から最後まで逸らされなかった。