朔
朔
朔
朔
朔
朔
神様は意地悪だ…
なんで…
なんで俺なの…
スマイル
俺は普通の人に 見えるだろうか。
見た目はいたって 普通だろう
でも俺は普通じゃない
俺は 「花吐き病」だから。
花吐き病とは片思いをすると稀に発症する奇病。
治療法は片思いの相手と 両思いになること。
俺が好きな人はきりやん。
小さい頃からの幼馴染だ
彼はとにかくモテる
容姿端麗、文武両道
そんな言葉が合うだろう
俺なんかが 釣り合うわけない
スマイル
そんなことを思い
俺は今日も花を吐く
スマイル
青く小さいユリウスの花を
きりやん
スマイル
きりやんとは家が 隣同士だから 毎朝一緒に登校する。
スマイル
きりやん
そういいながらも俺の首に自分のマフラーを 巻いてくれる。
やっぱり好きだなぁ…
その後も くだらない話をしながら 学校へと向かった。
教室に入った途端 激痛と激しい吐き気に 襲われたため荷物を置き、 トイレに駆け込んだ
スマイル
スマイル
何か前よりも花の量が 増えている気がする。
この花に触れると感染するらしいし、ここで吐くしか無いよな。
こんな姿を見られたら… 終わりだ
きりやん side
すごい速さで顔を真っ青にしたスマイルがトイレに行くのを見た。
トイレを我慢してたのか?
いや家から15分程度だし…
ん~…考えてもしかたねぇ
後で聞くことにしよう
そんなことを考え いつものように口に放り込んだガムを噛んだ。
スマイル side
よし… 今日も何とか乗りきれた
後は部活だけだし 少しは気が楽だ。
俺はボトルを洗いに水道へ向かった
スマイル
するとまた激痛と吐き気が俺を襲った
まずい… トイレまで間に合わない
スマイル
やばい…やってしまった
とにかく 早く片付けないと…
きりやん
やばい…誰かの声がする
きりやん side
さっきボトルを洗いに行ってくると言ったっきり スマイルが帰ってこない
心配だし様子見に行くか…
俺は皆から離れ、 スマイルを探しに 水道の方へ歩いて行った
スマイル
は?!何?!
きりやん
急いで駆け寄り声をかけると顔を真っ青にした スマイルがこっちを向いた
その近くには青い花びらが沢山落ちている
スマイルの口からも花びらが見えていた
スマイル side
ど、どうしよう… きりやん見られた
キモがられる…?
きりやん
俺は小さく頷く
するときりやんは
きりやん
そういって落ちている 花びらに触れようとした
゙落ちている花びらに 触れると感染する"
スマイル
きりやん
思わず叫び、 きりやんを叩いてしまった
キョトンとした顔をした きりやんがこっちを 見ている
スマイル
どうしよう…どうしよう
きりやんに嫌われる
その恐怖に負けて俺は その場から逃げ出した
きりやん side
スマイルに叩かれてから 俺の頭は こんがらがっていた。
何故叩かれた…? 何かしちゃったのか?
ふと我に返ると 目の前にいたはずの スマイルが消えていた。
きりやん
叫んで…叫んで… 探し回ったけど
スマイルは 見つからなかった
朔
朔
朔