可愛いのはどっちだ！

またホテル、パチンコ、の繰り返し

おばあちゃんは優しかった

俺は産まれた時から親に嫌われていた

元々子供が好きじゃないのもあるが

だいたいは俺ができたから

ばあちゃんは全て知っていた

そして中学に入った頃

風呂上がりリビングを通りかかった時

俺を捨てる話をしてた

そこで初めて親の秘密を知った

行きたい高校なんてない

まだなにかがあることを信じてた

まだなにかを期待していた

ついさっき終わったなにかを

チャンスを

ずっと今まで俺の為に家族のために

夜遅くまで仕事をしていると思っていた

だからあまり親と絡みがなくとも

幸せだと思っていた

学校には好きな人がいた

中学入ってから

恋愛対象が同性であることに気づいた

この人の性格に明るさに仕草に

惹かれていった

中学卒業

その時思い浮かんだ人は

好きな人でもなく親でもなく

おばあちゃんだった

ずっとあの優しくて暖かい笑顔で

俺を支え続けてくれた人

その帰りに

そこから一人暮らしで

その日の夜おばあちゃんが死んだ

おばあちゃんの保険金で一人で

ずっと独りで

独りで生活していた

笑顔で！明るく！

俺よりずっと良い奴いるから